2017 Fiscal Year Annual Research Report
流体解析を活用した、製品設計エンジニア育成システムの開発
Project/Area Number |
17H00245
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
松尾 征一郎 鹿児島工業高等専門学校, 技術室, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 3DCAD / CFD / 流体解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 製造業の多くで3DCADが必要不可欠となっており、最近ではコンピュータシステムの性能向上によって、流体解析を行うCFDも標準となりつつある。本校においてもCFDによる流体解析法を教育する機会が増えてきている。しかしながら、目では見えない流体現象について解析を行っても解析結果が妥当なのか、シミュレーション教育だけでは正しく評価できていないのが現状である。そのため、実際に流れを可視化したものと比較しながら解析実習を行う必要がある。この問題意識から本研究では、CFDによる流体解析の技術力を向上させて、実践力のある製品設計エンジニアを育成するために、解析値と比較検討できる流体可視化実習システムの教材の開発を目的とする。 研究方法 実習システムの題材としてパソコン内部の発熱・排熱の熱流体現象とした。解析値と実測値を比較するために題材となるパソコンの筐体・内部装置を3DCADでモデリングした。 実測題材のパソコンは、内部の温度状態をサーモグラフィーで可視化して観測し、ファン出口の風量と風速は風速計で測定した。測定条件はCPUに1, 25, 50, 75, 100%の5段階で負荷を掛け、熱発生量を変化させ測定を行った。 モデリングしたパソコンの3DモデルにCFDを用いて、CPUの各負荷時の流体解析を行った。サーモグラフィーによる観測値とCFDによる解析値を比較して境界条件の最適値を導出し、実測と解析による流体可視化実習システムの教材を構築した。 研究成果 サーモグラフィーにより可視化された温度分布とCFDによる解析値を比較することで、CFDの境界条件の最適値の検討が容易になった。流体可視化実習システムの教材によりCFD解析のポイントを習得させ、CFDを有効活用した流体設計の教示が可能となった。
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