2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00271
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉岡 学 金沢大学, 人間社会学域学校教育学類, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 石突 / 視覚障害 / 白杖 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 視覚障害児専用石突は現在、存在しておらず成人用を代用している。そこで、本研究においては、視覚障害児の身体負荷が少なく、耐久性の高い、メンテナンス費用がかからない白杖歩行学習に最適な石突の開発を目的とした。 研究方法 本研究は、以下の方法にて行った。 (1) 石突の具体的なサイズの選定、重量、素材の決定 (2) 石突の試作品の製作 (3) 使用評価試験 (4) 改良品の製作及び再評価 研究成果 本研究では、以下の点が明らかになった。 (1) 石突の操作性 新規開発した石突は、従来の最も軽量な製品(ペンシル型石突)より、軽量な石突となった。また、石突の違い(ペンシル型と新規開発型)による操作側の上肢筋活動の影響を尺側手根屈筋、尺側手根伸筋、上腕二頭筋、腕頭骨筋の活動を対象に測定を行ったところ、ペンシル型の石突と比較して、尺側手根屈筋と腕頭骨筋の筋活動に関して有意に小さかった。これにより、新規開発石突は、視覚障害児の身体負荷の少ない石突であることが明らかになった。 (2) 石突の耐久性 従来の石突は、長い期間、使用することで路面に接する片面のみが擦り減り、通常は1年から2年の間に交換する必要がある。しかしながら、新規開発石突は、路面に接する部分を回転式とすることで、石突全面が均等に磨り減ることで耐久性が向上した。 (3) 石突のメンテナンス容易性 従来の石突は、白杖シャフトに固定されており、石突本体が破損することで全てを交換することになっていた。また、この交換は、専門業者や指導者により交換するといったメンテナンス性の悪さが指摘されていた。今回の新規開発石突は、白杖シャフト取り付け部、振動調整部、路面接地部の3つのパーツで構成され、摩耗などで破損した場合は、路面接地部のパーツのみを視覚障害児・者自身が交換できるようにした。そうすることで、石突のメンテナンス性が飛躍的に向上した。
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Research Products
(1 results)