2017 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害学生の歯型彫刻の視覚的指導における3DCG活用の追求と教材研究
Project/Area Number |
17H00274
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福島 恵美子 筑波大学, 附属聴覚特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 歯型彫刻 / 視覚的 / 聴覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
特別支援学校(聴覚障害)の専攻科である本校歯科技工科で、科学研究費(奨励研究 : 16H00281)の助成を受け、被験者(本校生徒)に対して前歯部の歯型彫刻(歯の形態を覚える等を目的とした彫刻)に歯科用CAD/CAM機器を用いて作製した視覚的資料(被験者が一定時間内で彫刻した模型と見本模型の三次元データを重ね合わせたもの)を導入した指導を昨年度実施した。その結果、言語による指導と比較して、2つの模型の形態誤差を視覚的に認識しやすく、修正すべき部位がわかりやすいとの回答を得た。さらに本指導後の彫刻した模型と見本模型との一致度が指導前と比較して優位に向上することが示唆された。 本年度は上顎第一大臼歯を見本模型とした歯型彫刻において視覚的指導を導入し、他歯応用の可能性を探った。咬頭から歯頚部にかけて12か所の水平断面ごとに誤差を計測し、一致度を計算することで、視覚的資料に見本模型との一致度を%で表示する仕組みを追加した(全体、各12か所の両法の値を提示)。臼歯部は前歯部よりも複雑な形状を有する為、視覚的資料に掲載する断面データの提示枚数を6から16へ増やし、より細部まで提示した。視覚的資料を使用した被験者からは「今までの資料(前歯部で提示した視覚的資料)と比べて、数値で出してもらえるとすごく分かりやすい」「点数が見えるとやる気が出るし、直さなければいけない所が一目でわかる」「自分が作製した形状が見本模型よりも高かったことがわかりやすい」との感想を得た。計測結果から、1回目から2回目にかけて見本模型との一致度が向上したことから、臼歯部の歯型彫刻においても視覚的指導が有効であること、一致度の結果を数値化して提示することが有効であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)