2017 Fiscal Year Annual Research Report
数学の発見や構築時の視座に立つ授業と主体性自由性を包括する問題作り活動やその評価
Project/Area Number |
17H00283
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Research Institution | 愛知県立豊田西高等学校 |
Principal Investigator |
田中 紀子 愛知県立豊田西高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 問題作り / 評価 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
数学者が「発見」や「数学を構築」するときに行う思考の一端を体験できるような授業展開と, 主体性自由性を包括する「問題作り」活動やその評価について, 1)2)に分けて実績の概要を述べる. 1) 数学の発見や構築時の視座に立つ授業展開 数学を習って理解するのではなく, 発見したり創ったりする感覚の持てる授業展開を試みたいと考えてきた. 自然現象や日常生活に関わる数学的題材を扱ったり数学史の話題を扱ったり大学入試問題からも適したものは扱った. 本年は高等学校第3学年の授業を担当し, 年度後半の演習の授業では生徒主体の学びになるよう注力した. 数学史・確率論の研究は引き続き精力的に行い, 教材開発に役立てることができた. 2) 主体性自由性を包括する問題作り活動やその評価手法の開発・公表 問題作り活動とは「学習した知識・技能を活用して生徒が問題を作りポスターにまとめて発表し, 互いに評価する協働学習活動」で, 5年前から取り組んでいる. 特に育成されるものは①数学の楽しみ②内容活用力③評価の視点と考えている. 解を綺麗にしようといった工夫や, 数学が「自分事の数学」として扱われる様子が見られる. 義務教育で事例の多い原問題の数値変更による問題づくりとの違いは, 自由性と評価(教員評価・生徒の自己評価・相互評価のルーブリックによる実施)にある. 2017年7月に高等学校数学Ⅲの微分積分分野で「問題作り」を行った際, 日常と関連する多彩な問題が創り出された. トマトの体積をカージオイドを回転させて求めたり, NASAの宇宙船の軌道を測定(架空)したりといった興味深い問題が多く含まれた. 生徒は「既習の数学を自然や日常に当てはめる(既習の数学を通して自然や日常を捉える)」ことで問題作りを行っていると考えられ通常の数学的モデル化とは別の思考法が働いていると捉えている. 評価の視点は勤務校におけるSSH事業の評価手法にも反映されている. 1)2)の研究遂行とともに, SSH数学関連の生徒の指導を行った. さらに成果は日本数学教育学会やRIMS研究集会(数学史)等で発表した. 本年は海外発表を行なわなかったが, シンガポール国立大学・シンガポール教育省に行き懇談した. またこれまでの5年間の取組をまとめた報告書を作成した.
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Research Products
(8 results)
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[Book] アクティブラーニングを位置づけた高校数学の授業プラン2017
Author(s)
吉田明史, 酒井淳平, 熊倉啓之, 冨田真永, 横澤克彦, 子嶌倫世, 涌井宏一朗, 鈴木康博, 田中紀子, 梅田英之, 大西俊弘, 吉川浩良, 家治浩之助, 今井啓文, 吉岡淳, 横弥直浩
Pages
50-61
Total Pages
136
Publisher
明治図書