2017 Fiscal Year Annual Research Report
北見ハッカを利用する初年次基礎実験の構築~伝統と最先端の文理融合テーマ~
Project/Area Number |
17H00304
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
白川 和哉 北見工業大学, 技術部, 技術員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 水蒸気蒸留 / 北見ハッカ / 機器分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】本学では平成29年度の学部改組に伴い、1年次の後期に「工学基礎実験」が行われる事となり、その内の1テーマである「ハッカの抽出と先端機器分析による分子構造解析」を担当する事になったが、対象学生数が多く時間的制約も大きいことから、入念な準備が必要である。本研究は、伝統的なハッカ水蒸気蒸留に核磁気共鳴装置(NMR)やガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)等の最先端の分析機器を有効に取り入れ、分析の待ち時間に北見ハッカ産業の盛衰を伝える文理融合の実験テーマを構築し、平成29年度後期に実施することを目的とする。 【研究方法】本研究では、前述した目的を達成するために、実際に工学基礎実験で使用するハッカ草試料および水蒸気蒸留装置を用い、水蒸気蒸留の時間やハッカ油の収量を調査する。その後、得られるハッカ油のGC/MS分析を行う。また、ハッカ油は混合物であり困難が予想されるが、NMR分析によって定性および定量性が議論できるかを確認する。水蒸気蒸留中に30分程度の待ち時間が想定され、そこで北見のハッカ産業史を紹介する計画である。 【研究成果】乾燥したハッカ草50gを用いて水蒸気蒸留を行うと、蒸留時間が30分程度、得られる精油が2~3mLである事が分かった。水蒸気蒸留により得られた精油のGC/MS分析を行い、化学系を希望する学生以外の学生にも分子構造解析の一端に触れてもらった。さらに、混合物なので困難が予想されたが、和種である北見ハッカはメントールリッチであるため、NMRによる構造解析が十分可能である事が分かり、合わせて体験するプログラムとした。北見ハッカ記念館等で情報収集し、北見ハッカ産業史をまとめ、更に北見ハッカの復活を夢見る地元企業の取り組みを合わせて、水蒸気蒸留の待ち時間に紹介した。授業アンケートについては集計中であるが、学生の反応は概ね良好であったと思う。
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Research Products
(1 results)