2017 Fiscal Year Annual Research Report
5軸マシニングセンタを用いた高精度リバースエンジニアリング
Project/Area Number |
17H00351
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
吉田 圭吾 熊本高等専門学校, 技術・教育支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 5軸マシニングセンタ / リバースエンジニアリング / 3Dスキャナ |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 3Dプリンタを使ったものづくりは便利ではあるが、精度不足、強度不足の問題が常に付きまとう。そこで、3Dプリンタにて作製していたものを5軸マシニングセンタ(以下MC)にて削り出しで作製することで、様々な材料が選択でき、はるかに精度の良いものができる。本研究では5軸MCと3Dスキャナを用いたリバースエンジニアリング技術の確立、システムの構築を目的とする。今回の研究では人体の顔を作製する。複雑で見栄えのするもの、様々な分野の方に興味を持ってもらえるもの、オーダーメイド医療との産学連携、以上の3点を意識し人体の顔に決めた。3Dスキャナ使用時のスキャニング技術、スキャンした形状データを修正・補完する技術、5軸MCの加工技術・ノウハウを蓄積し、5軸MCを用いたリバースエンジニアリング技術を確立する。 【研究方法】 (1) 3Dスキャナ「EinScan-Pro」にてマネキンの顔をスキャンし、形状データを取得。 (2) スキャンした形状データをポリゴンデータ編集用ソフト「Meshmixer」のスクリプト機能を使い編集。 (3) 5軸MC用CAMソフト「hyperMILL」にてNCプログラムを作成。 (4) シミュレーションソフト「VERICUT」にて加工プログラムの確認。 (5) 5軸MCにてアルミ合金を削り出し、顔を作製。 (6) 3Dプリンタ(ABS樹脂)にて顔を作製。 (7) 5軸MCで削り出した製品と3Dプリンタで作製した製品を比較し、精度、強度、見た目の美しさを検証。 【研究成果】 5軸MCにて、アルミニウム合金を削り出し、顔を作製した。3Dプリンタよりも高精度、高強度で美しい仕上がりの顔を作製することができた。今回の研究で、3Dスキャナの当てる角度、距離、動かすスピード等のスキャニング技術、スカルプト機能を使いポリゴンデータを編集する技術、ポリゴンデータからNCプログラムを作製するCAM技術が得られ、3Dスキャナと5軸MCを使用したリバースエンジニアリング技術を確立することができた。今回はアルミニウム合金にて顔を作製したが、5軸MCを用いることで様々な材料でリバースエンジニアリングを行うことが可能となった。
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