2017 Fiscal Year Annual Research Report
効率的水処理技術の開発を指向した水上パルス沿面放電装置の設計
Project/Area Number |
17H00357
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
是枝 弘行 国立大学法人長崎大学, 工学研究科, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | パルスパワー / 水上沿面放電 / バラスト水 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年, 貨物船のバラスト水に含まれる水生生物が生態系へ与える影響が問題視されており, 対策が望まれている。水処理の手法の一つとして, 水上沿面放電由来のOHラジカル等の活性種が難分解性有機化合物を含む汚水処理に有用であることが示されている. しかしながら, 実用レベルに到達するには更なる浄化効率の向上が必要である. 研究代表者はパルスパワー技術を用いることで効率の改善が可能と考え, 前採択課題において, パルスパワー電源を製作し, 水上パルス沿面放電の発生を確認した. 本課題は, 前課題の成果を受け, さらにOHラジカルの発生効率向上を実現するために水と放電が接する面積を増やすことを目的とし, 下記2項について検討した。 (ⅰ) 放電の長さを伸ばす検討 (ⅱ) 放電の枝分かれを増やす検討 その結果, 下記のことが明らかになった。 (ⅰ) 接地電極をリアクタの底面及び側面に配置することで, 進展長の長い放電を生成できた。 放電の進展方向の電界が強くなることで, 電子雪崩を形成しやすくなるためと考えられる。 (ⅱ) 紫外線(波長 : 200-400nm)を照射することで, 放電の種となる初期電子の放出を誘発することを試みたが, 放電の枝分かれを増やすことはできなかった。 本条件では, 光電離を誘発するだけのエネルギーに到達しないためと考えられる。 以上の結果から, 水上沿面放電を用いた水処理装置を設計において, 電極の大きさや形状によるリアクタ内の電界分布の特性の把握が浄化効率を向上させるために重要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)