2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00359
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
庄司 大 国立大学法人東京工業大学, 技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | ヒータ / 光透過 / 微細加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】現在、加熱と光照射を同時に行うナノインプリントの研究開発を進めている。その研究の課程でヒータ越しに試料に光を照射して加熱と光照射を同時に行うための透明ヒータが必要となった。過去に透明導電材料であるITOを用いた透明ヒータを製作したが、透過率が0.2~0.4と低く、またヒータの加熱により透過率が変動する問題があった。そこで、透明導電材料を用いない透明ヒータの製作を本研究の目的とする。 【研究方法】製作する透明ヒータはガラス基板上に導電性材料を配線し、そこに電圧をかけてジュール熱により加熱する抵抗加熱式ヒータとする。ガラス基板は透明であるためその上に配線した導電性材料が透明であることが求められる。本研究ではヒータ抵抗の低抵抗化のため導電性材料に金属を用いることとする。金属は遮光性でありそれ自体は透明ではないが、遮光を無視できるほどに十分細くして事実上の透明化を図る。それには数μm以下の線幅が必要となるため、製作には半導体製造等に利用される微細加工技術を用いる。また、ヒータとして適切なヒータ抵抗(5~100Ω)が得られるようヒータ線の厚みと本数を計算と実験で求める。製作した透明ヒータで加熱試験、透過率測定、ヒータ線直下の光強度分布測定を行い、その性能を確認する。 【研究成果】ヒータ線にNiを用い、フォトリソグラフィー及びスパッタ法により線幅2.8μmで作製した。ヒータ線の厚み0.5μm、本数を76本としたところヒータ抵抗は31.3Ωでありヒータとして適切な抵抗が得られた。製作した透明ヒータで250℃の加熱試験を行い動作に問題ないことを確認した。ヒータ線直下の光強度分布を求め、ヒータ線の遮光のよる光強度の低下は6.0%以下と十分小さかった。また、透過率は0.93と十分高く、加熱による変動はなかった。以上より、抵抗加熱式ヒータとしての性能を維持しつつ従前にあった透過率の問題を解決できた点で十分な成果が得られた。
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Research Products
(2 results)