2017 Fiscal Year Annual Research Report
IoTと近距離無線通信による認知症徘徊者探索支援システムの開発と学生実験への応用
Project/Area Number |
17H00373
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
川見 昌春 独立行政法人国立高等専門学校機構松江工業高等専門学校, 松江工業高等専門学校実践教育支援センター, 技術長
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | IoT / 920MHz帯無線 / 認知症徘徊 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 目的 認知症等を原因とする徘徊や行方不明となる人は全国で年間1万5千人を超えており、深刻な社会問題となっている。初期段階での早期発見は、事故や行方不明を未然に防ぐ重要なターニングポイントとなるが、実際に徘徊者を発見する手段は家族・地域住民や警察等による捜索など人的手段に留まり、抜本的な対策が限られている。既存技術には専用のGPS端末の携行があるが、経済的負担と介護者負担が大きいことなどにより普及が進んでいない。本研究では徘徊初期段階における発見と当事者負担低減に主眼を置く、IoT(Internet of Things)を活用したシステム検討と試作を行った。 2. 概要と成果 当事者には長期間動作可能なビーコン端末だけを携行させ、GPS機能を内蔵するビーコン受信ノードを各所に配置する。ビーコン端末から間欠送信される信号を受信ノードが受け取ることにより、受信ノードは自身のGPSデータとビーコン端末IDをIoTゲートウェイ経由で探索支援サーバに蓄積する。介護者はスマートフォン等のWeb画面により探索支援システムにアクセスし、徘徊者の現在位置、経路等を把握可能である。これまでの研究ではビーコン端末、受信ノード、IoTゲートウェイの通信に2.4GHz帯無線を用いていたが、伝搬距離が短いため中継局等を多く設置する必要があり、また配置等にも困難を生じていた。本研究では、これらの経路を920MHz帯無線に置き換えることで、伝搬距離の伸長や電波の回析など周波数帯の特徴により、見通しの効かない位置での通信が可能となり、受信ノード配置の問題点を克服すると共に、通信経路の見直しによるコスト低減を実現することができた。 試作システムで示される徘徊者の位置は受信ノードのGPS位置座標であり、徘徊者の絶対位置を示すものではないが、捜索範囲を限定出来ることから有効な手段となり、捜索手段の多様化に寄与できる。また本研究は学生へのIoT開発技術修得をねらいとする実験テーマに応用し、今後の教材作成に活用する。
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Research Products
(1 results)