2017 Fiscal Year Annual Research Report
降雪地における地中水道メータの無線ネットワークによる遠隔読取りシステムの実証研究
Project/Area Number |
17H00375
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 貴彦 山形大学, 工学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 積雪 / 920MHz / 減衰 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的(何を解明しようとしたのか) 積雪地帯では冬季間は積雪により水道メータの検針ができず、これにより漏水事故の発見が遅れてしまう問題がある。これを防止するためには、電子式水道メータを導入して有線通信により表示を読み取ればよいが、全ての自治体が電子式水道メータへ切り替えるのは予算的に難しい。そこで既存の機械式水道メータに取り付ける無線式読取りアダプタによって、積雪下でも表示が読取りできることを検証する。 2. 研究方法(どのような方法で研究を進めたのか) 装置製作の工数を可能な限り削減するために、市販されているUSBドングルタイプの920MHz帯特定小電力無線通信モジュール(技術基準適合証明取得済み)を2つ用意して、これらモジュール間で通信(リンク)できることを確認した。次にサンプル画像データの送受信を試みたが、このためのプログラミングが極めて難しかったことから、データ通信ではなく「積雪が及ぼす電波の減衰量を自由空間での減衰量と比較する」ことによって、積雪下に埋設された水道メータ読取り装置(発信源)の可用性を確認した。 3. 研究成果(成果としてどのようなことが明らかになったのか) 上記実験を行ったところ、10m離れた自由空間(地上高2.5m/雪面上1.5m)での信号強度に対して、1m程度の湿った圧雪下に埋設された発信源からの減衰量は5dB程度であり、920MHz帯における積雪による電波の減衰量は予想外に小さいことが明らかとなった。実際には発信源から受信側へ積雪層を通って斜めに電波が伝搬するため、実質的な積雪量は2~3mに相当する。よって920MHz帯を用いた無線式の水道メータ読取りアダプタは積雪下でも十分に通信可能であり、よってその実用性を確認することができた。
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