2017 Fiscal Year Annual Research Report
計算機システムの安定稼働を支援するための信頼度の高い分散協調型監視方式の開発
Project/Area Number |
17H00379
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
原槙 稔幸 大分大学, 理工学部技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | ネットワーク / 障害検知 / 分散協調 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 様々な業務の基幹となる計算機システムを安定稼働させるためには, 日々のメンテナンスとともに, 障害発生時に迅速に対応して復旧する必要がある. そのためにシステムを監視する方法として, 集中監視型のアプリケーションで監視をおこなう方法がある. この方法は, 現状の可視化や障害発生時の通知などの機能は便利であるが, 障害の原因は何かという点についての情報提示は不十分である. そこで本研究では, 計算機システムを安定稼働させるために, より詳細な稼働状況提示をおこなうことを目的とした. その実現のため, 安価な組込み機器により実装した監視装置を複数台設置して, それらを有線LAN, 無線LAN, Bluetoothによる機器間通信でつなぐことで, 分散協調してシステムの監視をおこなう. この監視方式を用いることで, 通信障害発生時に従来の集中型監視方式よりも信頼度の高い情報提示ができると考える. ○研究方法 本システムを構築するにあたり, システム監視装置のハードウェアとして, 安価なシングルボードコンピュータ“Raspberry Pi”を用いた. そこで分散協調監視をおこなうためソフトウェアとして, サーバやネットワークの稼働状況の監視モジュール, 稼働状況を複数の通信経路でアップロードする通信モジュールを実装した. さらに, サーバ側には監視装置から収集したシステム稼働状況から障害発生の検知と障害原因を推定するためのモジュール, 管理者が所持する情報端末に情報提示するモジュールを実装した. ○研究成果 本システムのプロトタイプを作成したうえ動作確認と実証実験をおこなった. 実証実験では, 稼働中のネットワークの一部の経路を遮断し, 通信障害が発生した状態を意図的に作った. その状態でシステムを利用した結果, 従来の監視方式では取得できなかった, 障害発生地点より先にあたるネットワークの通信状態を取得できた. さらにその情報を基に, 通信障害の原因をより正確に推定できることを確認できた.
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Research Products
(2 results)