2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00381
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
松村 宣顕 静岡大学, 技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | ダークウェブ / サイバーセキュリティ / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : 社会基盤となったインターネットは私たちの社会生活・経済活動・教育研究活動などになくてはならないものになっている. インターネットは私たちに利便性などの恩恵をもたらす一方で, セキュリティ上の脅威をももたらしており, 現実を正しく認識し, それら脅威へ適切に対応することが求められる. インターネットには, 標準的な検索エンジンでは検索できず, 一般的なウェブブラウザではアクセスできない匿名化ソフトウェアなどを利用したネットワーク上のウェブが存在する. これらはダークウェブと呼ばれている. 匿名化ソフトウェア自体は個人の自由やプライバシーなどを脅かすトラフィック解析からユーザを保護するものである. 一方, その利用方法により, サイバー攻撃やサイバー犯罪に繋がる側面もあることから, 起きている現実を知ることは情報技術に関わる者, とりわけセキュリティ関係者にとり意義がある. 本研究では平成29年度における日本語ダークウェブの状況を探索し, その整理を試みた. そして, セキュリティ関係者向けサイバーセキュリティ教材の開発を目的とした. 研究方法 : 本研究目的のため, 匿名化ソフトウェアを使用するための専用端末を用意し, 端末にマルウェア感染予防や被害を緩和するための設定を施した. 調査対象の匿名化ソフトウェアは, Tor, I2P, Freenetとし, ダークウェブに接続した. 通信回線はセキュリティ上の観点から大学ネットワークとは分離された回線を契約し使用した. 研究成果 : 本研究の成果物として, 探索した日本語ダークウェブを整理した資料とセキュリティ関係者向けのサイバーセキュリティ教材を作成した. 教材は静岡大学大学院における講義やセミナーで使用した. また, 本教材を基に静岡大学長谷川CISOと共同で静岡県警サイバー犯罪対策課向けセミナーの開催も予定している. 今後も, サイバー空間における動向情報の収集と分析を行う方針である.
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