2017 Fiscal Year Annual Research Report
路上に横臥した歩行者の轢過交通事故における車両の受ける衝撃の解析
Project/Area Number |
17H00417
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Research Institution | 青森県警察本部刑事部科学搜査研究所 |
Principal Investigator |
川戸 宏高 青森県警察本部刑事部科学搜査研究所, 警察職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 轢過 / ダミー人形 / 衝撃 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 交通事故において、徘徊者や泥酔者が路上で横臥しているところを轢過される事故は散見されるが、運転者は気付かなかった、または人体と思わなかったと供述をすることがある。本研究は、ダミー人形を使用して轢過事故実験を行い、轢過事故における車両や運転手に加わる衝撃について検証した。 【研究方法】 普通乗用自動車の運転席床面と座面に三軸加速度計及び一軸加速度計を取り付け、2種類のダミー人形の腹部付近を左右の前後輪で轢過し、轢過した際の加速度を計測した。また、轢過する際には、運転席側側面から高速度ビデオカメラで撮影し、車体の浮き上がり量の計測も実施した。 ダミー人形との衝撃の違いを比較するため、レンガと10cmの高さのブロックについても轢過し、衝撃について比較、検討を実施した。 【研究成果】 車両の浮き上がり量は、速度が速くなると低くなる傾向となったが、ダミー人形を40km/hで轢過した際には、浮き上がり量が高く計測される場合が認められた。また、右前後輪で轢過した場合には運転席側が浮き上がるものの、左前後輪で轢過した場合には、助手席側が浮き上がり、運転席側が沈み込むため、浮き上がり量はマイナスの数値となった。 浮き上がり量は、レンガやブロックと比較すると、ダミー人形の方が高くなる結果となった。 加速度のピーク値は、速度が速くなると上昇したことから、車両及び運転者が受ける衝撃も増大するものと考えられた。また、運転席床面と座面での加速度を比較した場合、いずれも運転席床面の数値が高くなり、ピーク値の比較では、ダミー人形よりブロックの方が高くなる場合も認められた。 いずれの実験においても、加速度は、25%の人が知覚できるピーク値を超える結果となった。
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Research Products
(1 results)