2017 Fiscal Year Annual Research Report
市販のガラス材料を利用した簡便なガラス無機接着技術の創出
Project/Area Number |
17H00418
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
工藤 友美 東北大学, 多元物質科学研究所, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 無機接着 / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 本研究では、膨張係数の違う市販のガラス材料を粉砕・混合した粉末を接着剤とし、光学研磨された接合面が不要で接着剤の軟化点まで加熱するだけでガラスの接合ができる「簡便なガラス無機接着技術の創出」と製作可能なガラス器具の拡大を図ることを目的とする。 研究方法 1. 市販されている各種ガラス材料を粉砕し粉末にする。 2. 1で製作した粉末ガラス材料の種類と混合比率を系統的に変え溶融し、ガラス接着材料を製作する。 3. 2で製作したガラス接着材料を粉末にしたものを接着剤とし、粉末の粒度、接合面の粗さを変え、最適な接合温度とガラス接着材料を選定する。 4. 3で製作したガラス接着剤を使用して接合したガラスセルを製作し、性能試験を行う。 研究成果 石英ガラスと硼珪酸ガラス、それぞれを粉砕し粉末にしたガラス材料を用いた接着剤を製作し、石英ガラスの接着を試みた。接着試験材料は、直径20mm肉厚2mmの石英管と30mm角に切り出した2mm厚の石英板を用いた。想定される接着剤の軟化温度と石英ガラスのアニール温度の間で接合試験を繰り返し、最適な混合比率、接合温度と時間を見出した。また、粒径約70~150μm程度の接着剤粉末、SiC研磨剤#600の研磨面で強固な接着が可能であった。これらをもとに試作したガラスセルの接着層には若干のひずみが見られるが、火炎による加工を行わないためガラス板面にゆがみは殆ど無かった。 この結果、素材に合ったガラス接合用の無機接着剤により接合部分の変形を抑えることができ、装置設計の自由度が飛躍的に増し、今後のガラス器具製作において有効な加工法が得られたと考えられる。
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