2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00421
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉山 博則 金沢大学, 総合技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 水素循環エネルギーシステム / 光触媒によるの水分解 / 酸化チタン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新エネルギーシステムとして近年注目されている水素循環エネルギーシステムの原理を学ぶこととができる小型教材の開発・製作を目的とした。 水素循環エネルギーシステムは、水素の製造・貯蔵および水素からエネルギー(電力)を得る3つのプロセスからなる。本研究では、水素を製造する小型の装置を製作した。いくつかある水素製造法中から、本研究では、光触媒による水の分解にて水素を製造する方法を採用し、小型の専用装置を設計・製作した。使用する光触媒を酸化チタンとして、チタン板を600℃~700℃の範囲で5時間焼成することで製作した。製作した酸化チタンの元素分析を行ったところ、酸素とチタンが検出され酸化チタンが生成されていることを確認した。なお、この酸化チタンの構造については、現在分析中である。作製した光触媒を装置に導入し、紫外線を光源として水の分解実験を実施した。実習等で使用する教材のため、短時間で反応が見える必要があるため、紫外線の照射時間は1時間程度として実験を行った。短時間の紫外線照射では、触媒から勢いよく気泡が発生する等の明確な変化が見られなかったことから、水の分解を促進するための工夫(触媒の改良)が必要であると考える。今後も水素製造装置については、運転準備の簡略化を目指した改良を実施する予定である。なお、水素の貯蔵や水素からエネルギーを得る装置については、既製品の水素吸蔵合金キャニスターおよび小型燃料電池を利用した。 本研究では、水素製造装置(自作)、水素吸蔵合金キャニスターおよび小型燃料電池をそれぞれ整備することができた。これらを接続することで、水素循環エネルギーシステム全体の基礎的原理を学ぶことができる小型教材を製作できた。水素循環エネルギーシステムをテーマとした実習・実験や演示実験を整備するための教材として活用できると考えている。
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