2017 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者のための自動点訳サーバーを組み込んだ画面読み上げソフトの開発
Project/Area Number |
17H00424
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Research Institution | 視覚障害者総合支援センターちば |
Principal Investigator |
御園 政光 視覚障害者総合支援センターちば, ICTプロジェクトリーダー
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 視覚障害 / 自動点訳 / クラウド |
Outline of Annual Research Achievements |
障害者の情報共有の権利を保障する「障害者の権利に関する条約」、また「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」において、社会的障壁の除去のための「合理的な配慮」が行政機関等の義務であると定められた。しかし、視覚障害者等への情報保障は日常生活をはじめ福祉、教育、職業、政治などさまざまな場面で、今なお不十分な状態にある。従来、視覚障害者によるコンピューター利用では、画面上の文字情報を音声や点字に変換して表示するためのスクリーンリーダーが利用され、音声は合成音声を、点字表示は自動点訳ソフトと連携しながら画面情報を視覚障害者等が理解できるようリアルタイムに提示可能である。しかし、スクリーンリーダーも自動点訳ソフトも高価で操作が複雑であり、習熟までに時間を要する。また、合成音声の読み間違いや点字の変換ミスなどもあり、視覚障害者の生活上のニーズには十分に応えられていない。申請者は無料のスクリーンリーダー「NVDA」の開発を行うとともにエンドユーザーに対してそのサポートを行っている。その過程で、スクリーンリーダーで正しい点字を表示可能にすることが、視覚障害者の社会参加を促進に重要と痛感した。そこで、正確な自動点訳を低コストで提供可能なスクリーンリーダーの開発を目的に、従前からの要素技術を組み合わせ、システム開発を行った。スクリーンリーダーについてはオープンソースで配付されているNVDA(http://nvda.help)、自動点訳サーバーについてはeBraille(http://ebraille.med.kobe-u.ac.jp/)を組み合わせ改良してクラウド形自動点訳システムを内臓したスクリーンリーダーを開発した。これにより、情報通信機器等の利用した情報保障の実現を最小限の費用で可能として、普及促進に道を拓くことができた。研究成果は、電子情報通信学会福祉工学研究会で学会発表した。スクリーンリーダーの自動点訳の精度を向上させるために、自動点訳サーバーを組み込んだシステムを構築できた。
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Research Products
(3 results)