2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00425
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山辺 典昭 信州大学, 繊維学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 氷上摩擦特性 / 織布 / 摩擦試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : 氷上での「滑り」を防ぐことは, 冬季凍結した地表面環境が存在する我が国におけるヒト・モノの安全な移動において非常に重要な課題である. 自動車は早くから滑り対策の必要性が認識され, スタッドレスタイヤが広く使用されている. しかし人の歩行に関しての対策は不十分である. そこで本研究では氷上における人の歩行要因を含めた氷上摩擦特性の評価法を確立するとともに, 新たな防滑素材として軽量かつ柔軟性に優れ, 吸水性を有する繊維構造材料(織布)に着目し, 氷上摩擦特性評価のための試験機を開発し, これを用い評価を行うことにより, 最適な氷上防滑繊維構造材料の条件を見いだすことを目的とした. 研究方法 : 本研究では前述した目的を達成するために, 織布の氷上における摩擦特性を評価するための試験機の開発を行った. 氷上での摩擦特性に影響を及ぼす多様な要因を総合的に評価するためには, 既存の試験装置では不十分であり, 新たな評価方法の確立のため, 荷重可変機能, 摩擦方向変位機能, 3軸荷重計測機能を備えた摩擦試験機について機構を検討した. 氷上摩擦環境を作り出すためには, 摩擦試験装置全体を氷点下の環境で試験することが理想ではあるが, そのような温度コントロールができる恒温室は非常に大がかりで多くのエネルギーを必要とするため, 本装置では摩擦部分のみ氷点下環境にできる冷却装置についても組み込むこととした. これらの構想をもとに装置の設計を行い、氷上での, 荷重可変機能, 摩擦方向変位機能, 3軸荷重計測機能を備えた摩擦試験機について製作した. 研究結果 : 製作した摩擦試験機により, 織布の氷上での摩擦特性の評価が可能となった. また得られた摩擦特性から氷上防滑材に適した繊維構造について検討することが可能となった.
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