2017 Fiscal Year Annual Research Report
簡便な組織特異的ゲノム編集のためのトランスジェニックゼブラフィッシュの作製
Project/Area Number |
17H00436
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
坂 季美子 国立遺伝学研究所, 技術課, 技術職員
|
Project Period (FY) |
2017
|
Keywords | ゲノム編集 / ゼブラフィッシュ / Ga14-UAS |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】ゲノム編集技術CRISPR/Cas9法は、遺伝子の機能解析を行う上で必要不可欠な技術となりつつある。しかしながら従来のCRISPR/Cas9法では、一個体内の全ての細胞で遺伝子が改変されるため、特定の組織における遺伝子の機能を解析することは困難である。本研究では、モデル生物であるゼブラフィッシュを用いた組織特異的なゲノム編集技術の開発を目指し、その技術に必要なトランスジェニックゼブラフィッシュを作製する。 【研究方法】国立遺伝学研究所は、様々な組織で転写因子Gal4を発現するトランスジェニックゼブラフィッシュリソースを開発し、約1,500系統を保有する。このリソースに着目し、トランスポゾンを使った遺伝子導入法により、Gal4認識配列UASの下流にCas9配列と2Aペプチド配列で隔てたGFP配列をもつトランスジェニックフィッシュ(UAS : Cas9-2A-GFPフィッシュ)を作製した。このUAS : Cas9-2A-GFPフィッシュを筋肉組織及び卵細胞でGal4を発現する系統と掛け合わせ、二重トランスジェニックフィッシュを得た。 【研究成果】二重トランスジェニックフィッシュ胚において、期待される組織でGFPの発現を確認した。また、二重トランスジェニックフィッシュの受精卵にアルビノ表現型の原因遺伝子slc45a2を標的とするgRNAを微量注入したところ、標的配列の切断と欠失等を伴う修復が認められたことから、標的配列への変異導入が示された。しかし顕著なアルビノ表現型が見られなかったことから、Cas9の発現量が充分でないことが考えられる。今後は、UAS : Cas9-2A-GFPフィッシュと他のGa14系統との掛け合わせによる新たな二重トランスジェニックフィッシュの作製やCas9プロモーターの変更を実施し、組織特異的な変異導入を検証する。
|
Research Products
(2 results)