2017 Fiscal Year Annual Research Report
暑熱環境下での低ME飼料米主体飼料給与が産卵鶏の産卵成績に及ぼす影響
Project/Area Number |
17H00463
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
酒向 隆司 岐阜大学応用生物科学部附属岐阜フィールド科学教育研究センター, 応用生物科学部附属岐阜フィールド科学教育研究センター, 技術専門職員
|
Project Period (FY) |
2017
|
Keywords | 飼料米 / 産卵鶏 / 産卵成績 |
Outline of Annual Research Achievements |
飼料米は自給可能な国産飼料原料として、近年注目を集めている。なかでも家禽は飼料米を籾米の状態で給与することが可能であるため、コストの面からも利用に適している。しかし、飼料米は代謝エネルギー含量(ME)が低いため飼料中に油脂を添加する必要があり、飼料の流動性の問題が生じる。そこで過去に飼料米給与実用化のための油脂添加量を制限した低ME飼料給与試験を行い、産卵成績に影響を及ぼさないことを確かめてきた。しかし過去の実験は家禽にとって理想的な温度環境下での試験であったため、本研究は暑熱ストレスで飼料摂取量が減少する夏季に低ME飼料米飼料を連続給与し、産卵鶏への産卵成績に及ぼす影響を検討した。 試験はトウモロコシ(C)と飼料米(R)を飼料全量中に以下の割合(%)で混合した飼料を4区設定し(C60 : RO区、C40 : R20区、C20 : R40区、CO : R60区)、各区を9羽×5反復に分け、7月1日1から10月9日までの13週間連続給与を行った。測定項目として産卵率、卵重の測定は毎日行い、体重、飼料摂取量、卵質〈卵殻強度、濃厚卵白高さ、卵黄色、卵殻厚、ハウユニット〉の測定は週1回行った。 結果として、産卵率ではC60 : RO区で有意に低く、飼料摂取量もC60 : RO区で有意に低かった。卵重ではC40 : R20区とCO : R60区で有意に高かった。卵殻強度、濃厚卵白高はC40 : R20区で有意に高かった。 考察として、飼料摂取量は籾米の含有量が高くなるほど体積が増えていくため、消化管の物理的な容積の問題からC60 : RO区で有意に低い結果になったものと思われる。飼料摂取量の減少に伴って同区では産卵率の低下も見られたものと考えられる。卵質の結果については有意差が見られた項目もあったが、それぞれ製品としての鶏卵に大きな影響を及ぼすものとは考えられなかった。これらの結果から暑熱ストレスが増大する夏季においても、飼料米は飼料中に40%まで混合しても、産卵成績には影響を及ぼさないことが示唆された。
|