2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00486
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清川 真美 福井大学, 医学部附属病院薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 小児 / 味覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 薬物治療を経口薬で行う場合、剤形やボリューム、大きさ、味などがアドヒアランスに影響することがある。特に、小児においては、処方された薬のにおいや特有の風味、苦みによって拒薬する事例も見られ、原疾患の治療の妨げとなることも少なくない。そのため、薬との相互作用を確認した上で、単シロップやジュース、アイスクリームなどに混ぜて服用させることも多い。しかしながら、同じ薬剤でも患児により、好みが異なるため、単純には解決せず試行錯誤が必要となる。 これらのことから、味覚感度を定量的に評価し、服用状況(拒薬)との相関性について検討することで、患児にも負担のない、簡便で患者にやさしい服用方法の提供が可能となると考え本研究を立案した。 【研究方法】 (対象) 福井大学医学部附属病院の小児科病棟に入院中の患者を対象とする(目標症例数 : 50例) (方法) ろ紙ディスクによる味覚定性定量検査法(味覚検査用試薬 : テーストディスク)を用いて、左右鼓索神経・舌咽神経別に3基本味質(甘味・塩味・苦味)の味覚感度を調査する。また、味覚感度と服用状況との相関性を調査する。 患者背景の調査項目としては、①年齢 ②性別 ③体重 ④主疾患 ⑤合併症 ⑥薬剤の投与歴などを電子カルテより抽出する。 味覚をスコア化し、そのスコアおよび患者背景と服薬状況との関連性を統計的に解析する。 【研究成果】 対象が小児ということで同意を得ることが難しく(家族が不在、ろ紙を置くピンセットが怖いなど)、報告でき得る症例数が集まらなかった。ただし、医師も興味を持っている点や化学療法開始後の味覚感度を調査することは有意義であると考えられるため、調査は継続したいと考えている。
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