2017 Fiscal Year Annual Research Report
同種造血幹細胞移植後におけるダサチニブのPK/PD解析に基づく投与量の最適化
Project/Area Number |
17H00490
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田澤 佑基 北海道大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | ダサチニブ / 同種造血幹細胞移植 / PK/PD |
Outline of Annual Research Achievements |
ダサチニブは経口のBcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤であり、白血病患者の同種造血幹細胞移植後の維持療法として使用頻度が増加している。しかし、同種造血幹細胞移植後のダサチニブの有効性と安全性についての報告は非常に少ない。本研究では同種造血幹細胞移植後のダサチニブ投与患者の血中濃度と副作用発現ならび薬効との関連について解析し、至適投与量を明らかにすることを目的とした。初めに同種造血幹細胞移植後にダサチニブを投与された患者を対象にダサチニブの投与量と副作用発現の関連について解析した。その結果、ほとんどの患者は血小板減少や胸水など副作用発現により減量され、承認用量より低用量で投与されていることが明らかとなった。一方、薬効に関しては低用量でも分子遺伝学的寛解を達成している症例も存在していることから低用量でも有効性が得られる可能性がある。これらの結果より、同種造血幹細胞移植後のダサチニブ治療では高頻度で副作用が発現する可能性があり低用量から慎重に投与する必要があると考える。現在同種造血幹細胞移植後にダサチニブを投与された患者の血中濃度をLC/MS/MS法を用いて測定し、PK/PD解析を進めている。また血中濃度の個人差についてABCB1(C3435T、C1236T、G2677T/A)、ABCG2(C421A)の薬物輸送担体の遺伝子多型に着目して、TaqManプローブを用いたリアルタイムPCRで解析を進めている。
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