2017 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん薬混合調製ロボットによる抗がん薬の職業曝露低減の最大効果を求める研究
Project/Area Number |
17H00513
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今井 千晶 千葉大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 抗がん薬調製ロボット / 職業曝露 / 抗がん薬曝露リスクの低減率 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】当院で導入されている抗がん薬調製ロボットによる抗がん薬の調製効率を上げることにより、人による調製の頻度と継続時間を減らし、職業曝露を低減させることを目的とする研究。最終的には、抗がん薬調製ロボットの活用法の違いによる職業曝露の低減率の差を数値化し、もっとも有効な活用法を模索する。まずは、現時点での抗がん薬調製ロボットの使用状況と暴露リスクの低減率を算出した。 【研究方法】当院で採用されている全ての抗がん薬の暴露リスクを、抗がん薬調製マニュアルに記載されている危険度の判定基準を参考とし1~3段階(以下リスク度数と示す)に分類した。Rp毎の抗がん薬曝露リスクはリスク度数と使用バイアル数をかけ合わせた値(リスク度数×使用バイアル数)で算出した。2018年9月1日~2018年9月28日の一ヶ月間においての使用件数と曝露リスクの低減率を算出した。 【研究成果】期間中に調製された全てのRp数は3599件であった。期間中の抗がん薬曝露リスクは合計16119であった。そのうち抗がん薬調製ロボットで調製を行ったRp数は292件であった。抗がん薬調製ロボットで調製を行ったRpの抗がん薬曝露リスクの合計は1619であった。この期間中の抗がん薬調製ロボットによる抗がん薬曝露リスクの低減率【(抗がん薬調製ロボットで調製を行ったRpの抗がん薬曝露リスク/期間中に調製された全てのRpの抗がん薬曝露リスクの合計)×100】は10.04%であった。抗がん薬調製ロボットによる調製の速度は中央値で8分(幅 : 4分-31分)であった。 【考察】現時点での抗がん薬調製ロボットによる抗がん薬曝露リスクの低減率は10%と十分に低減できているとは言い難い状況であった。この理由は、抗がん薬調製ロボットの使用は状況により任意で行っており、使用するか否かは当日担当している薬剤師の裁量による。今後は抗がん薬調製ロボットの準備を行う人員を一人専属でつけるなどによる対処でのリスク低減率や、対象とする薬剤をリスクの高い薬剤に固定するなどの対処で更に効率のよい使用方法を模索することとする。
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Research Products
(1 results)