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2017 Fiscal Year Annual Research Report

アシクロビル、バラシクロビルによる薬剤性腎障害・血液毒性の発症リスク因子の解析

Research Project

Project/Area Number 17H00515
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

折山 豊仁  東京大学, 医学部附属病院, 薬剤師

Project Period (FY) 2017
Keywordsアシクロビル / 血液毒性 / 血中濃度
Outline of Annual Research Achievements

アシクロビル(ACV)は、単純ヘルペスウイルスや水痘帯状疱疹ウイルスに対して強力な抗ウイルス活性を有する薬剤であり、単純疱疹や帯状疱疹などの治療、およびヘルペスウイルス感染症の発症予防に広く用いられている。また、バルガンシクロビル(VACV)はACVのプロドラッグであり、経口投与後速やかにACVに変換され、血液中にVACVはほとんど検出されないことが知られている。ACVは薬物動態学的には腎排泄型薬剤であることから、ACV、VACVとも添付文書に腎機能に応じた用量調節法が明記されており、腎機能障害時に十分な注意が必要な薬剤である。ACVおよびVACVの重大な副作用としては薬剤性腎障害、血液毒性、精神神経症状の3つが挙げられ、特に腎機能が低下している高齢者や慢性腎不全患者ではこれらの副作用が起こりやすいことが知られており、腎機能低下によるACVの血清中濃度上昇が副作用発現のリスク因子であると考えられている。しかし、ACVによる薬剤性腎障害および血液毒性について血清中ACV濃度との関連性を検討した報告は無く、また腎機能当たりの投与量との関連性に関する報告も皆無であるのが現状である。また、ACVによる腎障害や血液毒性の発症リスクには併用薬剤による影響も予測されるものの、これら副作用の発現と併用薬の関連性についてはほとんど報告が無い。
そこで、ACVおよびVACVの副作用発症リスクと投与量、薬物血中濃度および他の患者背景情報との関連性について解析することを目的に本研究を実施した。
副作用発現状況の観察結果として、46症例のACV静注製剤投与患者について解析を行い、CTCAE Grade3以上の血液毒性を8症例に認めたが、投与前の腎機能および投与量と血液毒性の発症に明確な関連性は見られなかった。しかし、抗がん剤投与歴のある患者においては血液毒性が発症しやすい可能性が示唆され、より詳細な検討が必要であると思われる。また、薬物血中濃度の測定については、現在定量系を構築中であり、定量系が構築でき次第、血中濃度測定を行い、臨床情報および副作用発現の有無との関連性について解析を行う予定である。

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Published: 2018-12-20  

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