2017 Fiscal Year Annual Research Report
言語コミュニケーションが困難な患者に対する副作用モニタリング評価ツールの開発
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17H00531
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
東恩納 司 岡山大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | コミュニケーション / 外国語 / 副作用モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 構音障害を有する患者や日本語に不慣れな外国籍患者に対して薬剤師が薬剤管理指導を行う際、言語による会話での意思疎通が困難なケースが散見される。言語による会話での意思疎通が困難な場合、対応する薬剤師の心的負担のほか、患者からの訴えや症状を十分にフォローできず、副作用の見落としといった医療安全上の問題となる可能性が危惧される。そこで、言語での意思疎通が困難な場合の円滑な薬剤師の業務支援を目的に、発語が困難な日本人を想定した症状モニタリングツールの開発を行った。 【方法】 <ツールの作成> 症状モニタリングツールはオフラインでも広く活用できるようPDF形式とした。症状はイラストおよび文字を用いて部位別・症状別から選択できるようにした。 <ツールの有用性の評価> 岡山大学病院(以下当院)薬剤部所属の薬剤師のうち、18人を対象に実施した。対象者を発語困難な薬剤師役(9人)、患者役(9人)に割り付けた。患者役は新薬学教育モデル・コアカリキュラムで挙げられた代表的な8疾患のうち、がん患者を模擬症例とした。症例は患者背景および模擬症例に生じている副作用症状について十分に教育した上で実施した。薬剤師役は本ツールを用いて患者役の症状を聴取し、事前に設定した5つの聴取項目について、聴取できた項目数を点数化し評価した。また患者役と薬剤師役それぞれに5段階評価および自由記述アンケートを実施した。 【成果】 本ツールを用いることで、薬剤師役は患者役の症状を平均して4.9点聴取することができた。操作性は平均して薬剤師役3.6点、患者役3.8点であった。また本ツールを用いることで発語が困難で意思疎通が可能な患者とコミュニケーションが取りやすくなり(薬剤師役4.7点、患者役4.3点)、本ツールの有用性が示唆された。
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Research Products
(1 results)