2017 Fiscal Year Annual Research Report
自治体・農家・植物園の協働による生薬原料植物の実用栽培試験
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17H00545
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Research Institution | The Makino Memorial Foundation of Kochi Prefecture |
Principal Investigator |
岩本 直久 公益財団法人高知県牧野記念財団, その他部局等, 栽培技術員
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | ホソバオケラ / 白絹病 / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホソバオケラとムラサキの委託試験栽培を高知県下の農家と協力して実施した。 ホソバオケラの栽培については、これまでの植物園内の圃場等での栽培試験の結果から、「植え付けから芽出し」「白絹病が発生する梅雨時期」および「地上部が枯れた後の秋雨の時期」の3つの期間に発生する根腐りをどう防ぐかがポイントであることが明らかになってきた。 そこで、高知県の協力を得て北川村と安田町の水田転換畑において、植付け時期、深さの検討と白絹病の発生を抑えることを念頭に委託栽培を行った。植え付け時期に関しては、従来の10~11月から気温が下がる12月~1月へ変更、植え付け深さに関しては5~10cmから3cmに変更、白絹病に関しては、地温を下げる白マルチの使用、畦が乾き易くなるように、畦幅を狭くして2→1条植えへの変更を行った。 その結果、芽出しに関しては、28年度に50%程度だったものが、北川村では98.8%に改善して、梅雨までは良好な生育を示した。しかし、白絹病に関しては、白マルチや1条植えの効果はなく、大半の株を失った。安田町においても、芽出しは98.6%と良い結果を示した。安田町の植付けは北川村より約1年遅く、平成30年1月であるため、白絹病対策には、北川村の結果を受けて、以下の方法を試行中である。 まず、植え付け前に昨年の植物残渣を分解するため、微生物資材を投入して、1か月間塩化ビニルをかけて処理した。5、6月にかけては、白絹病に対する拮抗菌を散布する予定である。また、白絹病菌は深さ5cm程度で増殖する菌群であるため、ホソバオケラの根の張りが充分であれば、根茎を半分程度、地表に出してしまうことも検討している。病気の発生なく地上部を秋まで残すことができれば、秋雨の影響も軽減できるものと考えている。 本委託栽培は現在も遂行中であり、今秋の堀上後に全体的な評価を行う予定である。 ムラサキの委託栽培については、土佐清水市の農家団体に発芽苗を提供し、試験栽培を実施していただいている。
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Research Products
(2 results)