2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00555
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 俊介 徳島大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 周術期 / 管理ツール / 医薬品管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】近年、観血的医療行為のために手術前に中止、手術後に再開を忘れた事例が報告され、大きく取り上げられている。手術目的で入院する患者には、入院前から使用している薬剤を持参するため、患者の使用薬剤から周術期に注意が必要な医薬品を正確に抽出し、手術前の使用中止や手術後の再開指導といった業務を完遂することは、薬剤師の職務として重要である。しかしこの情報収集は、大きな労力を伴う業務となっていた。そこで、手術患者における周術期に注意が必要な医薬品を把握するために、簡便かつ短時間で必要な情報の検索、抽出や情報の共有化が可能なスクリプト(プログラム)を付加した管理ツールを構築した。この管理ツール導入による効果を検証する。 【方法】徳島大学病院の手術患者を対象とし、周術期に注意が必要な薬剤の抽出に、電子カルテからのデータの抽出が可能なDWH(データウェアハウス)を用い、抽出したデータはデータベースソフトのファイルメーカーProに取り込んだ。 【結果・考察】作成した管理ツールを用いた結果、手術患者の医薬品の中止時期である旨を表示するアラートなどを病棟薬剤師に通知ができ、情報収集が簡便になった。さらに病棟薬剤師はこれを利用し、医師に対して医薬品の中止時期などの情報提供を行うことができるようになった。また、管理ツール導入前で一か月当たりの業務時間は約4時間、導入後で2時間であり、導入後における業務時間が大きく短縮された。 このことから、今まで薬剤師が患者個々に周術期における医薬品管理モニタリングしていた作業が、薬剤師の経験年数やスキルに問わず、一元化して業務を行うことができるようになった。医療従事者との連携や情報の共有が可能となり、医薬品の適正使用に寄与できると考えられる。
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Research Products
(1 results)