2017 Fiscal Year Annual Research Report
持続血液濾過透析施行時の抗菌薬投与時における投与量と効果の検討
Project/Area Number |
17H00572
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
檜垣 宏美 愛媛大学医学部附属病院, 薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 持続血液濾過透析 / 抗菌薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】集中治療室へ入室する重症患者では, 呼吸不全, 循環不全および腎不全などの合併症を惹起し, その内腎不全については持続血液濾過透析(以下、CHDF)が施行される。さらに, 敗血症や播種性血管内凝固症候群を合併している患者においては、抗菌薬も投与されるがCHDF施行中の患者に対する抗菌薬の投与量については明確ではなかった。そのため、米国のCRRT時の推奨投与量, 透析患者への投与量, その他薬剤の特性を考慮して投与量を決定しているのが現状であった。一方、米国のCRRTや通常の血液透析と比較してCHDFでは薬剤の透析率や濾過率が異なることが推察され、必ずしも適切とは言いがたい。そこで今回、愛媛大学医学部附属病院(以下、当院)でCHDFを施行された患者のうち抗菌薬のメロペネム、ドリペネム、ピペラシリン・タゾバクタムを投与された重症感染症患者を抽出し、各薬剤の投与量, 効果および副作用について検討した。 【方法】当院においてCHDFを施行された患者のうち、メロペネム、ドリペネム、ピペラシリン・タゾバクタムが投与された患者を電子カルテより抽出し、抗菌薬投与前後のCRPおよびプロカルシトニンを投与量によって分類して推移を比較検討した。 【結果・考察】メロペネムについては、投与量が0.5~1g群、2g群、3g群に分類して比較したところ、CRPは全ての群で改善していた。一方、CRPおよびプロカルシトニンについては、3g群で投与前値が高値であった。プロカルシトニンについては3g群で著明な改善が見られたが、この理由として3g群において投与前のプロカルシトニンが高値であったことが原因と考えられた。 今後、症例数をさらに増加させて検討する事に加え、それぞれの副作用出現などについても検討を行う必要があると考える。
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