2017 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の気持ちに配慮した薬剤師版コミュニケーションスキルトレーニングの開発
Project/Area Number |
17H00573
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
正岡 康幸 岡山大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 薬剤師教育 / 半構造化面接 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : 近年、分子標的薬を代表とする多くの新薬が上市され、がん患者の生存期間やQOLに寄与している一方、患者は抗がん剤治療の開始、医療用麻薬の導入、抗がん剤治療の変更や中止等、常に薬物治療の様々な場面で心理的ストレスにさらされているのが現状である。長期にわたる心理的ストレスは抑うつ状態を引き起こし、患者のQOLや抗がん剤治療のアドヒアランスを低下させることも明らかにされているが、抜本的な解決策は未だ見いだせてはいない。医師に対しては、科学的根拠に基づいたSHAREプログラムが構築され、患者の気持ちに配慮したCommunication Skill Training(CST)が行われている一方、がん患者を取り巻く負の出来事に対応できる薬剤師のための教育プログラムは現在のところ存在していない。したがって、がん患者の気持ちのつらさに配慮した良好なコミュニケーションを実践するための、薬剤師版教育プログラムの構築が急務である。研究方法 : 本研究では科学的根拠に基づいたプログラムを構築するための基盤データを取得する方法として、薬剤師ががん患者との面談や服薬指導時において苦慮する点について面接調査を実施した。調査手法は、がん薬物療法に3年間以上従事している薬剤師を対象に最大60分で半構造化面接を行い、同意が得られた場合のみ面接内容を録音した。さらに、録音内容について文字起こしを行った後、質的研究の分析手法に基づき一文毎に内容を精査した。研究成果 : 現在、薬剤師6名について半構造化面接および解析を実施した。本研究により、薬剤師が患者と面談する上で漠然と苦慮している部分が、具体的に明らかとなりCST構築のための基盤データを得ることができた。今後、がん化学療法に関わる薬剤師に一斉アンケートを実施し、得られた基盤データの再現性について調査・研究していく予定である。
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