2017 Fiscal Year Annual Research Report
抗血小板薬の薬効確認に有効な血小板凝集能解析方法の確立
Project/Area Number |
17H00656
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
定方 智美 島根大学, 医学部, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 血小板凝集能 / 透過度法 / PAL |
Outline of Annual Research Achievements |
透過光法による血小板凝集能検査は先天性出血性疾患の診断や抗血小板薬の効果確認に有用な検査である。全自動で測定可能なCS-2100i(以下CS)での血小板凝集能検査の基礎評価と新規搭載された抗血小板薬の効果確認指標PAL(Platelet'Aggregation Level)について、既存の専用装置ヘマトレーサー804(以下ヘマトレーサー)の効果確認指標であるNSR-Ⅱとの比較検討を行った。 CSの同時再現性は、ADPとコラーゲンによる最大凝集率、PAL共にCVが7.0%以内であった。オンボード試薬安定性はADPとコラーゲン共に10時間まで安定であった。PALとNSR-Ⅱの相関性はADPでy=0.88x+1.16、r=0.90、コラーゲンでy=0.95x+0.17、r=0.89であった。ヘマトレーサーではNSR-Ⅱにより薬効が3分類(低 ; 過度・中 ; 適度・高 ; 軽度)に判定される。PALにおいても同様に3分類できるよう数値を設定し、PALとNSR-Ⅱの判定一致率を求めたところ、ADPを用いた場合のPALでは88.0%、コラーゲンを用いた場合のPALでは84.4%であった。大きな乖離は認めず、概ね同等の結果が得られた。 PALは良好な基礎性能を有し、既存のNSR-Ⅱと同等の薬効確認性能を有することが確認できた。CSは既に多くの施設で凝固線溶系ルーチン項目の測定装置として使用されていること、検体および惹起物質の分注が自動化され測定の煩雑さの軽減が図れることより、血小板凝集能検査の普及と標準化に貢献できると考えられる。
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