2017 Fiscal Year Annual Research Report
5-リポキシゲナーゼ制御によるPPARγ活性化を介した新規糖尿病治療薬の開発
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17H00657
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 美希 熊本大学, 生命科学研究部, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は、網膜症、神経障害、腎症といった細小血管合併症だけでなく心筋梗塞や脳卒中などの大血管合併症を引き起こし、患者QOLだけではなく生命をも脅かす疾患であることから、糖尿病およびその合併症の発症・進展を阻止すること、またその阻止に繋がる新規治療法の開発は、医療財政や患者のQOLの改善につながる重要な命題である。 近年申請者は、炎症メディエーターであるロイコトリエン群の生成に関与する分子である5-LOの阻害薬がマクロファージにおいてPPARγを活性化することを見出した。5-リポキシゲナーゼ(5-LO)は、炎症惹起因子であるロイコトリエン(LT)群の精製を誘導する酵素である。5-LOは白血球系の細胞でよく活性化され、5-LO活性化蛋白(FLAP)と共にアラキドン酸を基質としてロイコトリエンA4(LTA4)を生成する。 本研究の目的は、5-LOによるPPARγ活性化の機序の解明と、そのPPARγ活性化を介したインスリン抵抗性改善作用の有無を検討するとともに、その機序を基にした糖尿病新規治療法確立を探究することである。平成29年度の研究では、5-LOの制御により引き起こされるPPARγの活性化がどのようなメカニズムで引き起こされるかを、まずはマクロファージ由来腫瘍細胞であるRAW264.7細胞を用い、PPARγのリガンド結合部位のN末端側にGal4蛋白を結合させた変異蛋白質発現ベクターとGal4のDNA結合領域をその上流に持つluciferase reporter plasmidを遺伝子導入し、各種5-LO阻害薬(MK-886, AA-861)を添加したのち24時間後のluciferase活性の測定を試みた。RAW264.7細胞にluciferase reporterplasmidの遺伝子導入を様々な条件・試薬を試し何度も実施したが遺伝子導入が出来なかった。
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Research Products
(1 results)