2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00660
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中澤 久美子 山梨大学, 医学部附属病院病理部, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 膀胱癌 / FGFR3 / 免疫組織化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
[目的] 本研究は、FGFR3をターゲットとした膀胱癌治療を念頭に膀胱癌診断におけるFGFR3蛋白発現の有用性を明確にし、新しいバイオマーカーとして評価法の確立と診断基準へ応用・発展させて行く。 [材料および方法] 膀胱組織材料250例を用い腫瘍と非腫瘍部におけるFGFR3蛋白(FGFR3抗体(clone 9E10, x20 santacruze)の発現を以下の①-③のごとく詳細に検討した。①発現部位(細胞質全体にびまん性に発現、細胞膜に発現、核に発現)、②発現強度(陰性-、弱陽性1+、弱陽性と強陽性の中間2+、強陽性3+)、③発現範囲(10%未満、10%~49%、50%以上) [結果] 膀胱癌組織材料250例の腫瘍におけるFGFR3蛋白の発現は、低異型度尿路上皮癌97例中51例(52%)、高異型度尿路上皮癌153例中69例(45%)であった。発現部位は細胞膜~細胞質全体にびまん性に発現しており、核内の発現はみられなかった。発現強度は、- : 122例、1+ : 96例、2+ : 21例、3+ : 11例で、比較的強い発現を示す2+と3+の異型度は、2+の5例が低異型度で、2+の13例と3+の11例は全て高異型度であった。発現範囲は、比較的強い発現を示す症例は、全て10%以上陽性で、50%以上の広範囲に陽性を示す症例も2+では21例中19例で、3+では11例中10例であった。また、非腫瘍部における染色性は、淡い染色性がみられる症例があったが1+~3+の発現はみられなかった。 [考察] FGFR3蛋白の発現は異型度に関わらず認められるが、比較的強い発現を示した32例中24例(75%)は高異型度であることより、FGFR3蛋白強発現の浸潤性膀胱癌に対する分子標的治療の開発が期待される。
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Research Products
(1 results)