2017 Fiscal Year Annual Research Report
ホタテ貝殻焼成粉末を応用した自発性抗菌機能を有する義歯の開発
Project/Area Number |
17H00681
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
成田 王彦 秋田大学, 医学部附属病院, 歯科技工士
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | ホタテ貝殻焼成粉末 / 義歯床用レジン / 物性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 申請者は、平成28年度科学研究補助金(奨励研究)として採択されたテーマにおいて、ホタテ貝殻焼成粉末は口腔内細菌に対して抗菌効果が得られるか検討を行った。その結果、使用したホタテ貝殻焼成粉末のXRD測定では、抗菌効果が発現するCaOのピークが認められた。口腔内細菌試験では、焼成ホタテ貝殻粉末のCaOが口腔内細菌に対して抗菌作用を示すことを明らかにした。 本研究では、焼成したホタテ貝殻粉末を含有した義歯を作製することによって、自発性抗菌機能を有する義歯の開発を試み、その抗菌評価と物性評価をもとに、臨床応用の可能性を検討する。 研究計画 材料の製作と物性評価 義歯床用レジン中に焼成ホタテ貝殻粉末0、1、2、5、10、20g質量%を添加し、5×5×1.5mm大の試料を作製する。作製した試料表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察する。焼成ホタテ貝殻粉末が表面に露出していることを確認するために、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)によって、CaOに関する試料表面の元素マッピングを行った。各試料の物性評価は、日本工業規格T6525-1に準じて評価を行った。 考察・結論 各質量%試料のSEM観察の結果、各質量%試料の焼成ホタテ粉末は均等に歯科用レジンに含有されていることが確認できた。EPMAでは、焼成ホタテ粉末が多い試料ほど表面に焼成ホタテ粉末を確認できた。 物性評価では、三点曲げ試験を行い、曲げ強さ、曲げ弾性率を算出した。また、表面硬さ試験を行った。その結果、すべての試料が日本工業規格を満たしていた。今回の実験結果から課題として、焼成ホタテ粉末の比表面積を同等にし、歯科用レジンの機能を損なわない焼成ホタテ粉末量の質量%値を定めることが重要だと考える。
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