2017 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞移植後患者の筋肉量低下と末梢循環障害との関連性の探索
Project/Area Number |
17H00696
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
若杉 樹史 兵庫医科大学病院, リハビリテーション部, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2017
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Keywords | 同種造血細胞移植後 / 近赤外線分光法 / 筋肉量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 造血幹細胞生着時点での筋肉量低下と栄養状態, 筋酸素代謝の関連性を明らかにすることにより, 無菌室内の運動療法の生理的作用を明らかにすることを目的としている. このことにより, 造血幹細胞移植患者に対する臨床において, 患者の筋酸素代謝を維持するような運動療法の開発は, 患者にとって大変意義深いものとなる. 本研究では, 造血細胞移植予定の18歳以上の患者を対象に, 筋肉量と栄養状態を調査し, 近赤外線分光法を用いて, 筋酸素代謝を測定しそれぞれの関連性を調査した. 方法は, 体成分分析装置であるIn bodyを用いて骨格筋肉量を測定する. 同日に近赤外線分光法にて前脛骨筋の筋酸素代謝の測定を実施する. 測定期間は, 移植前と造血幹細胞が生着した時点(移植後約3週間後)に測定を実施する. 得られた筋肉量の低下率が筋酸素代謝の指標であるΔTOI Rの低下率およびアルブミン値の低下率と高い相関を示すことが予測された. 調査の結果としては, 測定可能であった5名から移植前後で測定が可能であった3名について分析を行った. 症例1は移植前後で骨格筋量は(20.6→23.0kg), アルブミン値は(4.6→2.8g/dl)ΔTOI Rは(11.05→5.03%). 症例2は移植前後で骨格筋量は(29.6→20.2kg), アルブミン値は(4.3→3.6g/dl)ΔTOI Rは(32.15→12.34%). 症例3は移植前後で骨格筋量は(24.0→23.3kg), アルブミン値は(3.0→3.8g/dl)ΔTOI Rは(12.07→11.27%)であった. 症例が少ないこともあり筋肉量低下率と筋酸素代謝およびアルブミン値の低下率に相関が認められなかった. 今後は症例数を増加させて検討していく必要があると考えられる.
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Research Products
(4 results)