2017 Fiscal Year Annual Research Report
末梢動脈疾患運動療法における下肢温浴の付加治療効果の検討
Project/Area Number |
17H00699
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
江原 恭介 獨協医科大学, リハビリテーション部, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2017 – 2018
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Keywords | 末梢動脈疾患 / 温熱療法 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】間欠性跛行を有する末梢動脈疾患(Peripheral arterial disease : PAD)患者への基本的治療は、全身の動脈硬化に対するリスクファクターと生活習慣の改善であり、さらに運動療法と薬物治療の併用が治療の第一選択として推奨されている。また、PAD患者において炭酸泉による足浴や乾式サウナを用いた和温療法が、血管新生や下肢血流量の改善を促し、下肢疼痛改善、歩行距離の増加をもたらすことが報告されている。さらに運動療法と温熱療法の併用が効果的である事が予想されるが、運動療法と温熱療法の相加効果についての報告はない。したがって本研究の目的は、PAD患者に対する運動療法と温熱療法の付加価値について検討する事である。 【方法】対象は、2018年5月から12月までに、通院型リハビリに参加したPAD患者8例(男性8例 平均年齢75±11歳)で、試験デザインはクロスオーバー法とした。歩行運動実施前に温熱療法を施行し、ガードナー負荷法による最大歩行距離・疼痛発生距離、歩行後のABIと血流量を非温熱療法時と比較した。温熱療法は下腿温浴(水温42℃で15分間温浴)とした。 【結果】最大歩行距離は温浴施行時(641±341m)と非施行時(659±397m)で有意差を認めなかった(p=0.74)。疼痛発生時間は温浴施行時(475±312m)と非施行時(402±323m)と比較して有意に延長した(p=0.012)。温熱療法前後では一部症例でABI・下腿血流量の改善が見られたが、歩行後のABI(p=0.16)および血流量(p=0.95)は温熱療法の有無で差を認めなかった。 【結語】PAD患者に対し温浴後の歩行運動は疼痛発生距離の延長が期待できる。
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Research Products
(2 results)