2017 Fiscal Year Annual Research Report
心不全患者への骨格筋電気刺激装置を用いた受動的運動耐容能評価の確立
Project/Area Number |
17H00700
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
落合 香 獨協医科大学, リハビリテーション部, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2017 – 2018
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Keywords | 心臓リハビリテーション / 骨格筋電気刺激 / 運動耐容能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓リハビリテーションでは、歩行や自転車などの有酸素運動が中心であり、一般的にトレッドミルや自転車エルゴメーターを用いた心肺運動負荷試験を行い、運動強度を設定する。しかし臨床場面において、超高齢者や変形性膝関節症、円背等の整形外科疾患を抱えている患者では、歩行や自転車などの運動療法や心肺運動負荷試験が困難な状況となっている。近年、このような運動療法が困難な患者に対し、電気刺激療法が実施されている。本研究の目的は、電気刺激による受動的運動負荷により、心不全患者の運動耐容能測定が可能であるかを検討した。パイロットスタディとして、健常成人10名(24.3±2.8歳うち女性4名)にベルト式骨格筋電気刺激装置による呼気ガス分析と自転車エルゴメーター負荷による呼気ガス分析を比較し、安静時と最大負荷時の乳酸値・ノルアドレナリン値を測定した。健常成人に対する電気刺激最大負荷(VO_214.1±3.1ml/kg/min)は、自転車エルゴメーターのAT(VO_215.3±2.8ml/kg/min)に近い負荷を与えることが可能であり、乳酸値・ノルアドレナリン値は安静時より有意に増加した。心不全患者5名(63.4±8.0歳うち男性5名)に対する、電気刺激最大負荷(VO_26.2±2.0ml/kg/min)は、自転車エルゴメーターのAT(VO_28.2±1.1ml/kg/min)に近い値が得ることができたが、心不全患者では電気刺激最大負荷によりノルアドレナリンが安静時よりも低くなる症例が見受けられた。心不全患者の症例人数が目標人数に達していないため、今後も研究を継続して行う予定である。本研究の成果として、電気刺激による受動的運動負荷は、健常成人と心不全患者ともに電気刺激の強度が強いほどVO_2が増加する傾向にあり、ATに近い運動負荷を与え得ることが示唆された。
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Research Products
(4 results)