2017 Fiscal Year Annual Research Report
Behavioral changes with crossmodal processes
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17H00753
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡邊 克巳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20373409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 通孝 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (40156716)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 拡張現実 / クロスモーダル / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の多感覚情報提示技術の進歩により、クロスモーダル知覚の研究は新たな局面を迎えつつある。特にクロスモーダル相互作用とその体験によって、感覚や知覚が変化するのみならず、より高次の身体知覚や情動などにも変化が起こり、その結果として行動や意思決定にも変化が現れることが明らかになってきた。本研究では、認知心理学におけるダイナミックな意思決定過程のモデルと行動変容の知見に、五感情報処理技術・VR(ヴァーチャルリアリティ)の分野の先端技術を応用することで、身体・認知能力を変化させるクロスモーダル人間拡張技術につながる知見の蓄積と高度化・体系化を行うことを大きな目的として研究を進めている。 2017年度は、特に実験環境の構築と実験の開始に重点をおいて研究を進めた。その結果、 人の行動の知覚メカニズムの解明、連続ボタン押しの学習の転移、連続ボタン押しの効率を調べる手法などに関する知見を得ることができた。加えて、同調的な表情変形技術、視触覚間相互作用による疑似抵抗感提示、擬似移動感、擬似成功感を活用する際の知見も集まるとともに、所有感・自己主体感などの新しい視点も浮上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度半ばで、既存の脳波計を用いて予備実験を行ったところ、特定が難しいノイズの混入が判明したため、実験実施場所を変更することとした。そのため、神経活動の計測に関しては、やや遅れが出ているが、分担研究者と研究協力者の協力を得て、計画通りに進めるよう努力している。また、人の行動の知覚実験、連続ボタン押しの効率を調べる行動実験などは順調に進んでいる。また、技術としての表情変形技術、視触覚間相互作用による疑似抵抗感提示、擬似移動感、擬似成功感を活用する際の知見も集まるとともに、所有感・自己主体感などの新しい視点も浮上しており、実験設備の整備の遅れを補完するような形で研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験実施場所の確定を急ぎなからも、今までの実験環境から大きく変わらないようものにし、研究データ取得環境の一貫性が保たれないようなことがないように、確実に研究が進められる環境を慎重に整備することとする。今後は、錯覚を用いた行動変容に向けた研究(及びその基礎的研究)を含んだ実験の展開や、疑似感覚・疑似認知を使った研究、さらに新しく出てきた所有感・自己主体感などに関する研究を進めるとともに、今まで得られた知見の学術会議・学術論文としての発表も行う。
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Research Products
(19 results)