2017 Fiscal Year Annual Research Report
防災と被災地復興の基盤を形成する地域災害資料・情報学の構築―国際比較の観点から―
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17H00772
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
白井 哲哉 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70568211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
バールィシェフ エドワルド 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (00581125)
阪口 哲男 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (10225790)
照山 絢子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (10745590)
辻 泰明 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30767421)
宇陀 則彦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (50261813)
水嶋 英治 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70372886)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 震災アーカイブズ / 東日本大震災 / 原子力災害 / 災害資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度であった平成29年度はPCや重要海外文献等の研究資材購入、研究員等の雇用と予備資料調査の実施、本格的な分析作業着手に向けた重要調査資料のデジタル化作業、海外重要調査地の全体調査及び予備調査など、本研究における調査研究環境の整備と本格的な調査研究の準備を行うことができた。 具体的な調査活動のうち、国内資料研究班については、まず本研究の重要な調査対象資料である福島県双葉町の震災資料数千点について研究員等による概要調査と一部資料の予備調査を実施した。また、内容分析に着手すべき重要資料の抽出を行い、最重要資料と判断された3点の資料(双葉町役場原子力対策室記録模造紙、さいたまスーパーアリーナ避難所町民生活情報ノート、旧騎西高校避難所リーダー長会議資料)について、デジタル化及び複製作成を行った。 海外資料研究班については、双葉町の震災資料について貸出・展示が行われた台湾国立歴史博物館の特別展「歴史の中の日台地震」の視察見学を行い、併せて台湾における震災関係の博物館施設の視察調査を行った。この調査にあたっては台湾国立歴史博物館の全面的な協力を得た。また、平成30年度に視察調査を予定しているインドネシアのアチェ津波資料館及びアチェにおける災害資料の予備調査と現地の研究者とのコンタクトを行った。これにより平成31年2月に計画しているアチェの現地視察調査の準備を進めることができた。 これらの調査の一方で、東日本大震災の原子力災害被災自治体である福島県双葉町、大熊町、富岡町における震災資料保全の担当者と意思疎通を行い、本研究への協力関係を構築した。以上の調査研究の成果については、平成30年4月30日に開催予定であるフォーラム「福島の震災遺産と震災アーカイブズの構築」において成果の一端を報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4か年計画である本研究の初年度である平成29年度は、「研究実績の概要」で述べたとおり本研究全体にかかる調査研究環境の整備と本格的な調査研究の準備を行うことができた。これにより第2か年度にあたる平成30年度の調査研究活動が順調に進むと思われるので、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における平成30年度の調査研究活動は、「研究実績の概要」で述べた平成29年度の成果を踏まえて実施する。国内資料研究班については、前年度に引き続き福島県双葉町の震災資料について調査を進めるとともに、デジタル化及び複製作成を行った一部の重要資料について具体的な内容分析に着手する。また前年度に協力関係を構築した福島県の原子力災害被災自治体において震災資料の実態調査を実施する。 海外資料研究班については、アメリカにおいて地震等の災害資料の所在調査、ヨーロッパにおいて東日本大震災関係資料の所在調査を実施する。またインドネシアのアチェにおいて津波資料館をはじめとする災害以降及び災害関係資料の視察調査を実施する。 これらの調査研究の成果については、平成30年4月30日にフォーラムを実施するほか、インドネシアにおいて現地の研究者との研究交流の実施を計画する。
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Research Products
(6 results)