2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00949
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
奥野 克巳 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (50311246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
シン ジルト 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (00361858)
相馬 拓也 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (60779114) [Withdrawn]
近藤 祉秋 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 助教 (80779273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マルチスピーシーズ / 人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研のメンバーは、海外では、ブータン・北東インド地域・チベット・モンゴル・コロンビア・パナマ・アメリカ・カナダ・マレーシア・台湾、国内では、沖縄・北海道・関西地方・宮崎で、現地調査研究に従事した。これまで、多種間の関係の動態の考察を進めてきたが、とりわけ捕食・被捕食に焦点をあてて、シンポジウム「食と肉の種的転回」(熊本大学、2018年12月)を開催した。そこでの発表内容を含め、本科研の年次報告の一環として、『たぐい』Vol.1.を公刊した(亜紀書房、2019年3月)。その号では、マルチスピーシーズ研究のこれまでの系譜を踏まえ、当該研究の枠組みと今後の展望を明示し、学問領域を横断しながら、広く一般読者に向けて研究の途中経過を発信した。また、一部の研究メンバーによって、犬と人間に焦点をあてて考察検討が進められ、その成果として『犬からみた人類史』(勉誠出版、2019年5月)が公刊予定である。さらに、マルチスピーシーズ研究の国際的な動向との連携を視野に入れ、近年この領域で顕著な業績を挙げている海外の研究者との間で、研究交流と情報交換を進めた。本科研を母体とするマルチスピーシーズ人類学研究会で開催した研究会は以下のとおり。第17回研究会「犬と人の関わり」。第18回研究会「環境文学/環境人文学を読む」。第19回「肉のポリティクス 人獣関係における産業化・権力・宗教」。第20回「マルチスピーシーズ民族誌の近年の成果から」。第21回「『実在への殺到』の波紋」。第22回「上妻世海『制作へ』を読む」。第23回「食と肉の種的転回」。第24回「ジビエブームを科学する」。第25回「ドメスティケーションを複数種化せよ」。第26回「種社会の記述法をめぐって」。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研研究の最初の2年間をつうじて、主題であるマルチスピーシーズ研究に関わる現地調査研究活動と文献資料収集活動を順調に行ってきている。また、理論面においても、研究会を重ねることによって(2018年度は計10回)、科研研究の軸となるマルチスピーシーズ研究の先行研究のレヴューに順次努めてきている。さらに、マルチスピーシーズ研究を推進させる媒体として創刊した『たぐい』をつうじて、これまでに、科研プロジェクトとしての課題および今後の展望を示すことができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、研究メンバーによるこれまでの国内外での現地調査研究を一方では継続しつつ、他方で、2018年度と同程度の回数の研究会を開催し、現地調査活動から理論的・実践的面に活動の軸をやや傾けることによって、より積極的に、研究推進のための議論と意見・情報交換を行っていきたい。2019年度は2018年度に引き続いて、研究成果・途中経過を掲載する雑誌『たぐい』Vol.2.の刊行を目指す。研究会および調査研究活動としては、具体的には、以下のような推進方策を企画している。研究会としては、春から夏にかけて、5回のマルチスピーシーズ人類学研究会を開催する。第27回「農と自己~『個体としての十全さの果て』~」(4月)。第28回「アニミズムの新生に向けて~人類学と民俗学の試みとして~」(5月)。第29回「ケアの共異体」(6月)。第30回「人類学の『制作論的転回』は可能か?」(7月)。夏休みもしくは春休みを利用して、研究メンバーは、国内外での現地調査研究およびその他の研究活動を行う。秋から冬にかけては、以下のタイトルのマルチスピーシーズ人類学研究会の開催を企画準備中である。「World Multipleを読む」、「マルチスピーシーズ人類学にとっての民族誌を再考する」、「環境人文学の新転回」、「『動物のいのち』をめぐって」(全て仮題)。また、昨年度から実施してきた海外のマルチスピーシーズ研究者との研究交流をさらに加速させ、国際ワークショップを開催し(2020年2月予定、「Multispecies Science: Toward Biocultural Anthropology with Scientists」、仮題)、マルチスピーシーズ研究および環境人文学研究の国際ネットワークの構築に努める。
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Remarks |
マルチスピーシーズ人類学研究会HP https://www2.rikkyo.ac.jp/web/katsumiokuno/multi-species-workshop.html
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[Journal Article] Introduction2018
Author(s)
Grant Otsuki, Shiho Satsuka, Keiichi Omura, and Atsuro Morita
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Journal Title
Keiichi Omura, Atsuro Morita, Shiho Satsuka and Grant Otsuki eds., The World Multiple: The Quotidian Politics of Knowing and Generating Entangled Worlds. Routledge
Volume: -
Pages: 1-17
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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