2018 Fiscal Year Annual Research Report
多様性の経済学:帰納論的ゲーム理論の構築とその応用
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17H00978
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 彰彦 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (30272165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星加 良司 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (40418645)
前川 直哉 福島大学, 総合教育研究センター, 特任准教授 (20739156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フラット・ダイバーシティ・モデル / マッチング・モデル / 帰納論的ゲーム理論 / 多様性 / ゲーム理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究組織それぞれの班で活動を行った。 ①障害班では、障害者差別解消法と障害者権利条約の追跡調査を巡って、シンポジウム「障害者権利条約の実施――批准後の日本の課題」を開催した。また、前年に引き続き、パネル調査の分析を進めた(金子能宏、森壮也、両角良子、長江亮)。 ②難病班では、「遺伝学的情報と社会制度に関するWG」を継続し、330種類に拡大された指定難病の疾患群および難病指定に至らない希少性疾患患者が直面する「制度の隙間」問題の分析を進めた (大野更紗(渡部沙織))。また、新しいダイバーシティモデルの構築に関する研究会等の研究会も順調に進展している。 ③性的マイノリティ班は機能的には問題がないものの社会的な問題に直面する少数派の問題の分析を継続した。前川直哉は、福島県および東京都における質的調査の準備を進め、パイロット調査の準備を行った。調査の過程において、特に地方部においては対面調査よりも、匿名性の高いインターネット調査の方が有益である可能性を検討し、他県におけるインターネット調査・聞き取り調査の先行研究整理を行った。 ④理論チームは班横断的作業を行った。松井彰彦と村上愛は、価格メカニズムが機能しない財の配分がさらに再配分の機会を生みだすことに着目し、一段階目にマッチング・メカニズムを通じた配分が起こり、それを二段階目に市場を通じて調整する経済を分析した。丹羽菜生は建設工学の観点から、バリアフリー社会の構築に向けた方策の研究を行い、日本の玄関口である空港における多様な人に向けたユニバーサルデザインの調査研究に加え、日本における取組の検証を行うために海外の空港の視察を行った。星加良司と飯野由里子はフラット・ダイバーシティ・モデルの特性・限界に関する研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、研究組織それぞれの班で活動を行った。これらの活動を再掲するが、その多くは研究実施計画に記載したものであり、研究が当初の計画通りに進展していることを示すものとなっている。 ①障害班では、障害者差別解消法と障害者権利条約の追跡調査を巡って、シンポジウム「障害者権利条約の実施――批准後の日本の課題」を開催した。また、前年に引き続き、パネル調査の分析を進めた(金子能宏、森壮也、両角良子、長江亮)。 ②難病班では、「遺伝学的情報と社会制度に関するWG」を継続し、331に拡大された指定難病の疾患群および難病指定に至らない希少性疾患患者が直面する「制度の隙間」問題の分析を進めた (大野更紗(渡部沙織))。また、新しいダイバーシティモデルの構築に関する研究会等の研究会も順調に進展している。 ③性的マイノリティ班は機能的には問題がないものの社会的な問題に直面する少数派の問題の分析を継続した。前川直哉は、福島県および東京都における質的調査の準備を進め、パイロット調査の準備を行った。調査の過程において、特に地方部においては対面調査よりも、匿名性の高いインターネット調査の方が有益である可能性を検討し、他県におけるインターネット調査・聞き取り調査の先行研究整理を行った。 ④理論チームは班横断的作業を行った。松井彰彦と村上愛は、価格メカニズムが機能しない財の配分がさらに再配分の機会を生みだすことに着目し、一段階目にマッチング・メカニズムを通じた配分が起こり、それを二段階目に市場を通じて調整する経済を分析した。丹羽菜生は建設工学の観点から、バリアフリー社会の構築に向けた方策の研究を行った。星加良司と飯野由里子はフラット・ダイバーシティ・モデルの特性・限界に関する研究を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、下記の諸計画を進める。 ①障害班は前身の研究で行ったパネル調査の分析を進める。28年度施行の障害者差別解消法の分析も進める。 ②難病班では、331の指定難病へと拡大された疾患群および難病指定に至らない希少性疾患患者が直面する「制度の隙間」問題の分析を中核に据える。具体的には患者会等に接触し、その問題点を探っていく。 ③性的マイノリティ班は機能的には問題がないものの社会的な問題に直面する少数派の問題の分析を進める。具体的には、先行研究調査、福島県および東京都におけるインタビューの予備調査を行う。 ④班横断的作業も行う。具体的には、i) フラット・ダイバーシティ・モデルの特性・限界に関する論点整理、ii) マッチング・モデルの深化発展、iii) 帰納論的ゲーム理論の研究、を行うため、班横断的な研究会を開催する。
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Remarks |
公開研究会「わたしと地域の回復-多様性のまちづくり 二つのLIFETIMEとこれからのコミュニティ」開催、2018年4月. 公開講座「障害者権利条約の実施――批准後の日本の課題」開催、2018年12月. 長江亮、「障害者の雇用と生産性」、NHKラジオ第1、2018年9月放送. 福島智、「日本の「盲ろう者」その歴史と未来 ヘレン・ケラー没後50年に福島智が語る」、NHK-Eテレ、2018年10月放送.
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Research Products
(93 results)
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[Book] 経済学のための実験統計学2018
Author(s)
ピーター・モファット(著),川越敏司(監訳),會田剛史,小川一仁,佐々木俊一郎,長江亮, 山根承子(訳)
Total Pages
640
Publisher
勁草書房
ISBN
978-4-326-50452-7.
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