2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Role of University Networks in Student Mobility in Asia and the Pacific – Aiming to Broaden the Impact of UMAP (University Mobility in Asia and the Pacific) –
Project/Area Number |
17H01025
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高橋 一男 東洋大学, 国際学部, 教授 (70206796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 泰司 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 教授 (40304456)
芦沢 真五 東洋大学, 国際学部, 教授 (00359853)
北村 友人 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (30362221)
黒田 一雄 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (70294600)
廣里 恭史 上智大学, グローバル教育センター, 教授 (40262927)
小幡 浩司 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(総合グローバル), 教授 (40728292)
新田 功 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (30208251)
太田 浩 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 教授 (70345461)
関山 健 京都大学, 総合生存学館, 准教授 (90583576)
花田 真吾 東洋大学, 国際学部, 准教授 (00635865)
小早川 裕子 東洋大学, 国際教育センター, 准教授 (90459842)
田中 祐輔 東洋大学, 国際教育センター, 准教授 (10707045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 比較教育 / 国際教育交流 / 国際教育 / 高等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、コロナ禍の影響を受けて世界的に教育交流事業は停止した。この状況下において、どのような教育交流を模索していくのか、について7回にわたる連続ウェビナーを開催し、様々な代替プログラムの可能性、オンラインを活用した協働教育の意義などを検証した。7回のウェビナーのうち、第5~7回は海外の有識者、実務家を交えて英語でおこなったが、広くアジア太平洋地域の関係者が参加し、500~700名の参加を得た。“Student and Skilled Labour Mobility in the Asia Pacific Region”を表題とする書籍出版については、共同編集者であるDeane Neubauer(ハワイ大学名誉教授)の協力を得て、完成原稿を作成することができた。また、各ユニットにおいても以下のような取り組みを進めた。 ユニット1では、コロナ禍の影響を受けた各国の留学生・国際教育政策について比較検証を行った。 ユニット2では、代替プログラムとしてのUMAPオンライン相互履修、COIL方式のバーチャル交流事業などの、学習成果について検証を行った。本科研で開発した協働学習用のシステム(Eポートフォリオ)を運用して多様な協働学習モデルを実践し、成果を分析した。特にUMAPに参加する3大学(東洋大学、フィリピンのDe La Salle大学、マレーシアのUKM)の間で、オンライン協働授業を実践し、成果を共有することができた。 ユニット3では、SEAMEO-RIHED(東南アジア教育大臣機構)AUN、ASEAN+3など大学ネットワークとの意見交換を継続し、コロナ禍における学生交流のモデルについて分析を行った。 また、2020年9月2日から4日の国際教育夏季研究大会(SIIEJ)は完全にオンラインでの実施となったが、本科研の成果にかかわるワークショップとセッションがおこなわれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、新型コロナ感染症によって教育交流が世界的に停止するという特殊な状況下で、研究活動を当初の計画通りに進めることは困難になった。一方、この事態は従来型の教育交流のあり方を根本的に問い直すことにつながり、連続ウェビナーの第4回「コロナ禍と地球市民教育の課題」でも取り上げたように、国際教育や異文化理解教育の本源的な意義について再検証する良い機会になった。本科研は連続ウェビナーをいち早く企画、実施したことで、新しい教育交流モデルを議論するうえでアジア太平洋地域における国際教育関係者の意識の共有、意見交換をリードする役割を果たした。 研究成果のアウトプットとして、”Student and Skilled Labour Mobility in the Asia Pacific Region”を表題とする書籍の原稿が完成したこともおおきな成果である。 連続ウェビナーにおける議論を経て、様々な代替プログラムが提案され実践されたことは大きな成果である。特に、UMAPを基盤とするオンライン相互履修プログラムでは、8か国、18大学から76科目が相互履修可能なプログラムとして提供された。また、本科研で開発してオンライン協働学習用のシステムを活かして、3大学(東洋大学、フィリピンのDe La Salle大学、マレーシアのUKM)の間で協働授業を実施し、成果共有を果たせたことは意義深い。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度においても、前年度に引き続き、オンラインを駆使した多様な教育交流モデルの必要性が世界の大学で認識されている。アジア太平洋地域における多様な教育交流プログラムが展開されつつあるが、科研プロジェクトとして適切な情報提供や情報共有をはかっていく。このプロセスを通じて、COIL型オンライン協働教育、オンライン相互履修、オンライン模擬国連を含めた新たな交流プログラムの情報を集積し、成果にかかわる分析をおこなう。 国際教育夏季研究大会(SIIEJ2021)において、これまでの研究成果を発表するとともに、オンラインを駆使したUMAP-COILプログラム、オンライン相互履修、オンライン模擬国連などのケースを紹介していく。 アジア太平洋における国際教育交流やモビリティーにかかわる書籍出版プロジェクトは、”Student and Skilled Labour Mobility in the Asia Pacific Region”という 表題により完成原稿ができあがっている。発行に向けて出版社と協議中であるが、2021年度も協議を継続していく。また、2021年度は最終年度であることから、最終の国際シンポジウムをおこなって、総括的な研究成果発表を実施する予定である。
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Research Products
(22 results)