2018 Fiscal Year Annual Research Report
南極氷床に刻みこまれた銀河系内超新星爆発と太陽活動の歴史の解明
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17H01119
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
望月 優子 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 室長 (90332246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和也 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 専任研究員 (70221356)
中井 陽一 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 専任研究員 (30260194)
矢野 安重 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員主管研究員 (10774721)
和田 智之 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (90261164)
加瀬 究 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 先任研究員 (70270600)
湯本 正樹 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (60585157)
丸山 真幸 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (10588304)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 太陽活動 / 超新星爆発 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
南極大陸の「ドームふじ基地」で掘削された氷床コアを用いると、過去100万年間観測したのと同等な、天の川銀河系内超新星爆発と太陽活動の情報を得られる可能性がある。現在、過去72万年分の氷床コアが国立極地研究所に保存され、さらに、過去100万年以上を目指した氷床コアの掘削計画が進行中である。この過去100万年スケールの銀河系内超新星の爆発頻度と太陽活動の歴史を解明するため、天文学とは異なる分野と連携し、世界初の「南極氷床コア自動レーザー溶融装置」のプロトタイプ機を3年で開発する。又、既に取得済みのドームふじ氷床コアデータを解析し、銀河系内超新星爆発の痕跡と太陽活動の周期及び強度、その気温との相関を解明することが本研究の目的である。 平成30年度は、昨年度から引き続き本研究課題の第2年度として、基本設計し本予算措置にて納品された「氷床コア及びレーザー投光採水ユニットの自動送り装置」を用い、レーザー融解された水の採水効率向上のため、「採水ユニット」のノズルや採水バッファーに改良を加えつつ、基礎実験を行った。これにより、氷床コアを模したダミー氷をレーザー融解して試料として自動採水する世界初の基礎実験に成功した。特筆すべき成果の一つとして、ノズルを静止させレーザーをダミー氷に照射した場合、氷の融解孔が径・深さともに定常状態に達することを実験的、および理論シミュレーションで確認できたことが挙げられる。又、実用化に向けて、乗り越えるべき課題が明確になった。 レーザーを用いた上記の氷床コア分析の空間分解能は、mmスケール(ドームふじ氷床コアでは1ヶ月オーダーの時間分解能)となる。本基礎実験の過程において、当初予定していなかった、長尺(3,000m超)のドームふじ氷床コアを2-3cmスケール(約1年の時間分解能に相当。但し分解能は自在に設定可能)で自動サーベイできる新しいアイデアも生まれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、昨年度から引き続き本研究課題の第2年度として、基本設計し本予算措置にて納品された「氷床コア及びレーザー投光採水ユニットの自動送り装置」を用い、レーザー融解された水の採水効率向上のため、「採水ユニット」のノズルや採水バッファーに改良を加えつつ、基礎実験を行った。氷床コアを模したダミー氷をレーザー融解して研究試料として自動採水する世界初の基礎実験に成功した。実用化に向けて乗り越えるべき課題として、当初予期されていなかった、氷中の不純物の扱いに関連するレーザーの制御、レーザーファイバーの扱いがあることがわかり、現在対策中である。 レーザーを用いた上記の氷床コア分析の空間分解能は、mmスケール(ドームふじ氷床コアでは1ヶ月オーダーの時間分解能)となる。本基礎実験の過程において、当初予定していなかった、長尺(3,000m超)のドームふじ氷床コアを2-3cmスケール(約1年の時間分解能に相当。但し分解能は自在に設定可能)で自動サーベイできる新しいアイデアも生まれた。
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Strategy for Future Research Activity |
開発中のプロトタイプ装置を用い、実用化に向けさらに装置の研究開発を推進する。乗り越えるべき課題として、当初予期されていなかった、氷中の不純物の扱いに関連するレーザーの制御、レーザーファイバーの扱いがあることがわかり、現在対策中であるが、解決に向けての見通しが得られたところである。今後は、これらの対策を講じた上で、ダミー氷を用いた連続採水、さらに実際の南極氷床を用いた連続採水と実際の分析へと研究開発を進行させる。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] High-sensitivity sulfur isotopic measurements for Antarctic ice core analyses2018
Author(s)
Kazuya Takahashi, Yoichi Nakai, Yuko Motizuki, Toshiyuki Ino, Shigeru Ito, Satoru B. Ohkubo, Takeshi Minami, Yuichi Takaku, Yoshitaka Yamaguchi, Miho Tanaka, and Hideaki Motoyama
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Journal Title
Rapid Communications in Mass Spectrometry
Volume: 32
Pages: 1991-1998
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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