2018 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ光学とレーザーカオスを用いた超高集積・超高速意思決定の創製
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17H01277
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
成瀬 誠 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所, 総括研究員 (20323529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 敦 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 研究員 (30580188)
堀 裕和 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10165574)
内山 和治 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70538165)
西郷 甲矢人 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 准教授 (80615154)
岡村 和弥 名古屋大学, 情報学研究科, 特任助教 (90725178)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 意思決定 / レーザーカオス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究代表者らが世界をリードするナノ光学及びレーザーカオス技術に基づき、人工知能で重要な強化学習の本質である多本腕バンディット問題(意思決定問題)を、光の極限性能とともに物理的に実現することを目指す。具体的には、(1)光の微細化の極限としての近接場光による超高集積意思決定、並びに(2)光の高帯域性の極限による超高速意思決定に関し、スケーラビリティの実証や最適デバイス化を含めた具現を目指す。さらに、(1)、(2)の基盤となる理論を構築するとともに、超高速性などの光のメリットを最大に引き出す応用シナリオを検討する。 今年度は、前年度に実証したレーザーカオスを用いた2本腕バンディット問題の解決実績に基づいて、カオス時系列の時間多重方式による意思決定原理を提案し、64本腕に至るバンディット問題のスケーラブルな解決に成功し、その成果はScientific Reports誌に掲載された。基礎理論では、前年度に示した圏論を用いた意思決定の構造分析を発展させ、選択による選好性の変化を説明する局所リザーバー理論を構築し実験データとの整合性を示し、その成果はPlosOne誌に掲載された。また、レーザーカオスを用いた意思決定原理を無線LANにおける動的なチャネル選択に応用し、電波環境(電波の混雑状況)の変化のなかでスループットが最も高いチャネルを自律的に選択できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
レーザーカオスを用いた意思決定のスケーラビリティの実証や基盤理論での成果創出など当初の想定以上の成果をあげているため(本年度だけで原著論文7報)。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザーカオスの時間波形の複雑性のみならず光及び光技術の特長を生かした新原理の構築など、新たな可能性の実証を重視する。さらに無線通信における周波数割り当てなど意思決定の具体的応用に関する検討を進捗させる。
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Research Products
(14 results)