2019 Fiscal Year Annual Research Report
巨大災害時の広域交通ネットワークの運用に関する数理モデル研究
Project/Area Number |
17H01297
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
朝倉 康夫 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80144319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井料 隆雅 神戸大学, 工学研究科, 教授 (10362758)
山口 裕通 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (10786031)
長江 剛志 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30379482)
福田 大輔 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (70334539)
中西 航 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (70735456)
日下部 貴彦 東京大学, 空間情報科学研究センター, 講師 (80604610)
坂井 勝哉 神戸大学, 工学研究科, 工学研究科研究員 (80774778)
吉井 稔雄 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (90262120)
中山 晶一朗 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (90334755)
花岡 伸也 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (90467027)
瀬尾 亨 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90774779)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 交通ネットワーク / 災害時交通 / 広域避難 / 生活関連物流 / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,応募者が研究代表者として進めてきた基盤研究(A) 「交通ネットワークのリスクマネジメントのための動的行動・交通流解析理論の構築」(2013~2017)の成果を踏まえ,被災範囲が人々の日常的な生活圏を大きく越えるような大規模な自然災害が発生した際の広域交通ネットワークのマネジメントに関する理論基盤を構築することにある.具体的には,広域避難に関わる問題と,避難者に対する生活物資の供給問題に着目し,ネットワーク上でのルーティングと施設配置に関する従来の理論的成果を活用して,ネットワークマネジメントの共通理論基盤とそれに基づく数理モデルを構築する.このモデルを四国地域に適用し,南海トラフ巨大地震の被災シナリオを想定したケーススタディを行って,構築した方法論の有用性を検証する.令和元年度は以下の研究を行った. (1) 共通基盤モデルの解法の開発と数値解析:共通基盤モデルの数理解析を行うと同時に,大規模ネットワークへも適用可能な求解アルゴリズムを開発した. (2) 広域避難,生活物資輸送モデルの数値解析と統合:仮想的な交通ネットワークの被害想定と人口分布を用いて,広域避難,生活物資輸送モデルの数値解析を行いモデルの数値的特性を把握するとともに,時空間ネットワーク上で両モデルを統合した. (3) ケーススタディの実施にむけた検討継続:四国地域を対象に,広域避難と生活物資輸送の統合マネジメントモデルの適用計算実施に向けた検討を継続した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,応募者が研究代表者として進めてきた基盤研究(A)(2013~2017)の成果を踏まえ,被災範囲が人々の日常的な生活圏を大きく越えるような大規模な自然災害が発生した際の広域交通ネットワークのマネジメントに関する理論基盤を構築することにある.具体的には,広域避難に関わる問題と,避難者に対する生活物資の供給問題に着目し,ネットワーク上でのルーティングと施設配置に関する従来の理論的成果を活用して,ネットワークマネジメントの共通理論基盤とそれに基づく数理モデルを構築するとともに,モデルを四国地域に適用し,南海トラフ巨大地震の被災シナリオを想定したケーススタディを行って,構築した方法論の有用性を検証することにある. 令和元年度は,研究分担者と連携して,(1) 共通基盤モデルの解法の開発と数値解析,(2) 広域避難,生活物資輸送モデルの数値解析と統合,(3) ケーススタディの実施に向けた検討の継続 に取り組み、関連の成果を学術誌に発表することができた.このことから,(2)おおむね順調に進展している と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,交通工学分野の理論研究に実績のあるベテラン,中堅,若手が各自の得意な課題を分担するとともに,互いの知識とスキルを交換することにより,創発的に研究を推進できる体制をとる.研究代表者の朝倉が研究全体を統括し,数理モデルの開発と解析については,交通分野の数理最適化やネットワーク理論に詳しい井料,福田,中山,長江がこれらを分担する.同時に,ロジスティクスに詳しい花岡が生活物資輸送モデルの開発を担当する.また,若手研究者(中西,瀬尾,坂井,山口)が最新の技法を駆使してモデル開発やアルゴリズム開発を加速させる.モデル統合化とケーススタディでは,適用対象である四国地域の実情に詳しい吉井が分担者となり,大規模データの扱いに詳しい日下部が数値計算を分担する.モデル開発と数値解析の際には,分担者が所属する各大学の博士課程および修士課程の学生がResearch Assistant として研究に参画する.構築した理論体系の妥当性については,交通工学分野の代表的研究者のレビューを受けることを想定している.また,海外で交通ネットワーク研究の実績のある研究者に研究アドバイザとして参画を求め,研究打合せを通じて本研究の水準を向上させる. 令和2年度は最終年度であるため,感染症の動向を見極めつつ,研究分担者による研究集会を開催し,研究成果のとりまとめと今後の展開に関する議論を行う.
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Research Products
(26 results)