2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication /Making of a New Territorial History of land and culture on apprehending of "terroir"
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17H01310
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
中川 理 神戸女子大学, 家政学部, 客員教授 (60212081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 加寿江 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (10532872)
加藤 玄 日本女子大学, 文学部, 教授 (00431883)
伊藤 毅 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (20168355)
杉浦 未樹 法政大学, 経済学部, 教授 (30438783)
大田 省一 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (60343117)
岸 泰子 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60378817)
上杉 和央 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70379030)
中島 智章 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 准教授 (80348862)
坂野 正則 上智大学, 文学部, 教授 (90613406)
野村 啓介 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (00305103)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 都市史 / 領域史 / テロワール / 食産品 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず日本国内におけるテロワール調査として東京近郊における参照産品として、野田市の醤油工場見学および研究会を実施。ワイン以外にも「テロワール」の形成がどのようになされているのを検討する上で参照事例となった。将来的な成果発表を行う国際シンポジウムのため、シャンパーニュメゾンのドゥーツ社会長へプレゼンテーションを行い、11月には宇治茶の製茶会社である福寿園の担当者と研究交流会を開催した。1月には台湾調査を実施し、多様な茶生産が流通とともに変容しながらも、テロワールを構築している状況を調査することが出来た。2月には「テロワールと流通」を軸にテロワール報告会を実施。シャトー・クーテットに関する調査分析の進捗を確認し、「テロワール」形成の現場に触れ、研究を深化することができている。 一方、2020年3月初めには、フランス・ボルドーのサンテミリオン調査を予定していたが、コロナ発生により断念することとなり、2020年度、2021年度に予算繰り越しにより、国外調査によらない研究活動を実施した。2020年度は研究会をオンライン中心で実施し、9月には東アジア環境史学会大会においてポスターセッション「テロワール研究」を立ち上げ、ボルドー大学のフレデリック・ブトゥル教授をコメンテーターにしたパネルディスカッションを実行することができた。 2021年度には3回のオンライン中心の研究会を実施し、また2月に「若手研究セミナー」を京都で開催し、研究を深化することができた。また京都近郊和束町茶業集落および滋賀県のワイナリーの生産現場の調査を行い知見を深めることが出来た。また、国内におけるテロワールの現地調査として、九州における嬉野茶産地やワイン生産の現場の調査を実施することができ、国内外におけるテロワールの実態を把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた<欧州3次調査>について、コロナ禍のために渡仏が出来なかったため、詳細な調査を実施することができなかった。 <アジア2次調査>については、台湾・新竹県にて現地研究者の協力も得て、3箇所の茶業生産地について、集落、景観、領域構造などについておおまかな調査を行うことができたが、その後計画していた3次調査が、コロナ禍でできなかった。 計画していた<テロワール・アトラス作業の展開>については、ボルドー・サンテミリオン2次調査のデータをGISと関連づける作業を行っており、当初の作業工程予定より少し遅れているが、協力者を得ることができたため着実に作業を進められている。 計画していた<研究会の開催>については、計画通り年度内に3回を開催した。サンテミリオン調査およびアジア調査、個別テーマ研究について、発表と活発な意見交換をすることができた。さらに、テロワール概念をめぐり概念、政治、建築技術などの観点からの個別テーマによる研究も進めており、その中間段階での発表・質疑も行うことができた。 以上のような作業により、「空間」、「流通」、「文化」3部会それぞれが密接に相互連携をとりながら、計画通り、土地と文化の歴史を空間化していく作業を行うことができた。ただし、今年度は調査作業が主となったため、分析とその成果公表には至っていない。これは次年度以降の課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、「空間」「流通」「文化」という、研究を3つの軸に分けている。今年度はそのなかで「流通」の観点を積極的に取り入れ、調査成果の分析を展開させるとともに、その成果に基づき新たに必要となる調査対象を定め、あらたな調査を開始した。 具体的には、台湾の追加実測調査を実施し、対象する台北市の茶商において、世界的な販路形態に関する史料調査も加え、産品の変化と流通の変化、出荷の実態といった空間分析、史料分析を進めていく。対象となる生産者は地域の有力者家系であり、売買記録の読み時や、ドローンを用いた空間分析によって土地と産品、地域の価値評価の変容を理解していく。これによって、台湾茶業の文化史的全容を確認し、その中での茶畑と生産者の位置づけを、現地の実測調査を行いながら明らかにしていく。 サンテミリオンについても、追加調査を実施し、その実態について領域的観点から必要な情報を補足していく。 これから取り組むあらたな調査については、ワインのテロワールを考える時に、その生産・流通の展開から現在のフランスとドイツなどにまたがるロタリンギアの領域を一括して把握することが求められることがわかってきたので、その調査も開始する。 テロワール・アトラスの作成については、昨年度の2次調査のデータをもとに、地形、気候、生産形態などを含んだアトラス(地図情報)を作成する予定である。 またこれまでの調査の分析が進んだ段階で、そこから得られる知見をもとに、国内外の関連する研究者も招いて国際シンポジウムを開催する計画である。そして、そこでの議論を踏まえて、国内外で新しい「テロワール」概念に基づく研究を発表・公表していく。
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Research Products
(5 results)