2018 Fiscal Year Annual Research Report
Role of paraventricular thalamic nucleus in bipolar disorder
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17H01573
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 忠史 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (30214381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 和起 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 副チームリーダー (50344031)
窪田 美恵 (坂下美恵) 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 専門職研究員 (90344035)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 双極性障害 / 視床室傍核 / ミトコンドリアDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
カナダのケベックブレインバンクおよび国内の福島医科大学ブレインバンクより供与を受けた、双極性障害患者および対照群死後脳由来視床ブロックより作成した脳切片の解析を進めた。抗カルレチニン抗体染色を用いて視床室傍核を同定し、抗COX(チトクロームc酸化酵素)抗体および抗SDH(クエン酸脱水素酵素)抗体を用いた二重染色により、ミトコンドリアDNA由来蛋白質が減少している細胞を同定した。その結果、試料のpHが高い場合には検討が可能であったが、試料のpH低下に伴ってCOX陰性細胞が増加することが示唆された。そこで、抗8-OHdG抗体を用いて、酸化ストレスについても検討を行うこととし、染色を行った。8-OHdG様免疫反応性は細胞質に局在し、主にミトコンドリアDNAの酸化を反映していると考えられた。染色の結果、患者の視床室傍核において見出されたCOX陰性細胞は8-OHdG強陽性である一方、試料pHの低下に伴って見られるCOX陰性細胞は8-OHdG陰性または弱陽性であった。COX陰性・8-OHdG陽性細胞が、ミトコンドリア機能障害を反映する可能性が考えられた。また、視床室傍核特異的にCreを発現するトランスジェニックマウスの作成を進めた。また、mtDNA変異蓄積によって神経細胞の形態がどのように変化するかについて調べるため、ミトコンドリア移行シグナルを持つ制限酵素を発現させ、これを発現させることによりmtDNA欠失が生成されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ目標を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに確立した抗COX抗体および抗SDH抗体を用いた二重染色、および抗8-OHdG抗体を用いた免疫染色を併用することにより、COX陰性・8-OHdG陽性細胞の同定を行う。COX陰性・8-OHdG陽性細胞の分布および疾患特異性について検討を進めるため、患者、および対照群において、視床室傍核に加え、対照領域(大脳皮質3領域、海馬、被殻)についてもこの方法を用いた染色を進める。現在、作成したマウスにおいてCreが発現している領域が視床室傍核であるかどうかを確認するため、リポーターマウスとの掛け合わせにより、Cre発現部位を確認する準備を進めた。また、変異mtDNAが蓄積した神経細胞の機能変化を検討する。
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Research Products
(4 results)