2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and dissemination of the Oxycontin activation program for promoting tailor-made childbirth and child rearing experience
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17H01613
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
堀内 成子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70157056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 宏美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (10213555)
中村 幸代 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10439515)
篠原 一之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (30226154)
八重 ゆかり 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50584447)
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70297068)
周尾 卓也 北陸大学, 薬学部, 講師 (90399006)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オキシトシン / コルチゾール / 妊婦 / 無痛分娩 |
Outline of Annual Research Achievements |
オキシトシンは陣痛促進剤として使用されるが、「愛情ホルモン」「絆ホルモン」等とも呼ばれ、人間関係の親密性にも関わる。無痛分娩では、自然分娩に比べて分娩時間の延長や陣痛促進剤の使用が多いが、ホルモンの投与時間が長いほどオキシトシン受容体は減少し、感受性も下がると指摘されている。また母体発熱や疲労感から、児への愛着行動の初動が遅れることが懸念される。さらに、近年の少子化環境は、妊婦が日常的に乳児に出会う機会を失わせている。こうした状況は妊産婦のオキシトシンの活性化を抑制するものであり、「絆ホルモン」の欠如は、ボンディング障害や乳児虐待の発生を危惧させる。本研究は、この課題への対応として妊産婦オキシトシン活性化プログラムを開発し、その有用性を評価し臨床への普及を目指すものである。 初年度は、指標の検討として、唾液中オキシトシン値と血漿中オキシトシン値との相関関係について、妊産婦を対象に検討した。血液検体を、ストレスフリーで採取するための方法を検討したが、現実対応可能なフィールドを得ることができなかった。その為、唾液検体での分析に変更した。不純物なく、十分な量の唾液を採取するための教材ビデオを作成した。また、同一女性の妊娠後期から産褥早期までを縦断的に追跡する方法論を確立し、無痛分娩を希望するものと、自然分娩を希望するものを対象にパイロット研究をスタートさせた。また、ボンディング障害を判定する尺度を選び、パイロット研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であった【研究Ⅰ】指標検討が終了し、【研究Ⅱ・Ⅲ】の自然分娩と無痛分娩のパイロット研究に進んでいる。【オキシトシン解析】についても、実験手順の確認を終えているため、おおむね順調に進展している。 パイロット研究の目的は、次の2点である。1)妊婦の妊娠後期から産褥早期の唾液オキシトシン値の変化を縦断的追跡するために、唾液採取の方法およびオキシトシン分析手順の実行可能性を検討する。2)得られたデータは、自然分娩、無痛分娩に分けて分析し、育児の初動に関連する因子や、ボンディング指標との関連を分析する。 研究デザインは、4時点(妊娠36~37週、妊娠38週~39週、産後1~2日、産後4~5日)を追跡する縦断的観察研究である。妊娠期に2回オキシトシンを採取する理由として、妊娠39週に子宮受容体のピークを迎えると報告されている(Fuchら,1984)。このため、ベースラインのオキシトシン値を知る必要性や、上昇の有無について確認する必要があるため、オキシトシンのピークを迎える前に一度採取する必要がある。 研究の対象は、以下の条件をすべて満たした女性とする。①年齢20歳以上41歳未満②妊娠36週0日以降、妊娠40週未満の単胎、頭位である者 ③経腟分娩予定の者(妊娠期の自然分娩、無痛分娩希望者)④日本語の理解・読み書き可能なアジア人女性 対象者数は、自然分娩希望者・無痛分娩希望者、それぞれ最低5名程度と設定した。なお、帝王切開術になった場合にも研究は継続する。研究協力施設のリクルート方法は、助産師のネットワークを活用し、妊婦健診を取り扱っている首都圏にある医療施設を選定し、承諾の得られた1施設で研究を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
妊婦の妊娠後期から産褥早期の唾液オキシトシン値の変化とボンディング障害を追究する。その為の唾液オキシトシン値の変化を縦断的に追跡するための、唾液の採取方法、およびオキシトシン分析手順の実行可能性を検討する。さらに得られたデータから、育児の初動に関連する因子やボンディング指標との関連を分析する。
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Research Products
(8 results)