2020 Fiscal Year Annual Research Report
樹木年輪とアイスコアの統合解析によるアジア山岳域の標高別古気候復元
Project/Area Number |
17H01621
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐野 雅規 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (60584901)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 耕史 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80303593)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 樹木年輪 / アイスコア / セルロース酸素同位体比 / 水安定同位体比 / モンスーン / 気候復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒマラヤ山岳域において樹木年輪とアイスコアを併用して、低標高から高度6000m付近に至る広高度帯で気候復元を行い、気候変動の高度依存性を解明することである。2017から2019年度に実施したフィールドワークによって、ネパールヒマラヤを横断する計4地域において、標高1800mから3900mの森林限界に至る高度帯で樹木年輪のコアサンプルを取得できた。今年度は、Covit-19の影響による出張制限により年輪サンプルの酸素同位体比の測定が滞ったので、昨年度までに収集したデータの分析を主に進めた。年輪データの時系列長は、ネパールの西部で460年、中部で420年、東部で370年となり、ネパールにおいてこれまで報告されている年輪酸素同位体比データ(200年前後)よりも大幅に遡及期間を延長させることができた。これら年輪データの特徴として、場所を問わず、過去数十年間にわたり酸素同位体比が上昇する傾向を示し、当該地域において乾燥化が進行していることを認めた。もうひとつの分析対象であるアイスコアについては、2019年度に掘削したコアのハンドリング、現場での初期解析結果および2017年と2018年に採取した雪氷試料の水安定同位体比データなどを取りまとめ査読付き学術雑誌に投稿した。また、この全長81.2mのアイスコアを5cmの時間分解能で保管方法別に3部位に切り分け、化学分析に必要な前処理を完了させた。結果、各部位ごとに1637試料が作成され、水安定同位体比、水溶性化学主成分および花粉など、優先順位の高い成分から順次分析を進め、一部の成分については全層の測定を完了させた。最終年度はCovit-19の感染拡大により出張や分析室内作業が大きく制限されたなかで、アイスコア解析における基礎成分の分析の大部分を完了させることができた。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)