2018 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-hierartchical Approaches to Kashubian Grammar on the Basis of a Newly Devised Corpus
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17H01641
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野町 素己 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (50513256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 惠子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10229726)
橋本 聡 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (40198677)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カシュブ語 / 言語接触 / 歴史言語学 / ドイツ語 / 言語圏 / 社会言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はカナダおよびカシュブ本土での現地調査で収集した資料(印刷物およびインフォーマント調査)をもとに、19世紀から21世紀までのカシュブ語の具体的な言語変化のパターンおよび言語変化に直接かかわる社会言語状況の動態の分析を行った。加えて、研究代表者は、かつてのカシュブ語のごとくドイツ語との二言語併用状況に置かれているブルゲンラント・クロアチア語(オーストリア)の資料(資料自体は昨年の調査で収集したものである)を、カシュブ語と比較して分析を行った。とりわけ、スラブ語に元来存在せず、ドイツ語との言語接触で発達したと考えられる冠詞類およびそれに準じる言語形式の文法的・意味的特徴を共時的・通時的に明らかにした。なお、これまでカシュブ語研究では特に扱われてこなかった分析アプローチとして、地域言語学の論点を採用し、言語圏の概念でカシュブ語の言語構造の位置づけとその動態の分析を試みた。具体的には、いわゆるStandard Average European(代表者)およびCircum Baltic Languages(代表者、三谷)の文脈でカシュブ語の特徴を明らかにした。そして、社会言語学的な成果として、近年ヨーロッパを中心に議論されている言語解放論の観点から、カシュブ語文章語史と現状の分析を行った。なお、分担研究者の橋本は社会言語学的論点を深めるために、比較研究のために(旧)ドイツ語圏で現地調査を行った。さらに研究代表者は、個々の作家が標準語形成に担いうる役割と現状について、特に北部方言による文章語の伝統についても論じた。今年度の成果を合計すると、14回の学会報告(うち、12回は国際学会、2回は招待講演)および関連する欧文論文6点(うち、2点は招待論文)、2冊の欧文編著書が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カシュブ語および比較対象となる資料は、現地調査によって十分進んでいる。また研究報告や論文発表を通じて、研究成果の国際的な公開も十分行われ、成果は国際的に認知されているといえる。ただし、コーパス作成について、予定していた担当者が事情により参画できなくなったため、現在は一定の遅れがみられるが、これは今年度に十分取り戻せるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査をこれまで通りに継続し、様々な形で研究成果の発表を行う。予定していたシンポジウムは昨年度に行ったため、今年はデータ分析により時間をかける予定である。また収集した資料のデータベースの作成も行う。
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Research Products
(25 results)