2017 Fiscal Year Annual Research Report
移動体搭載カメラを利用した新モバイル映像通信フレームワークの研究
Project/Area Number |
17H01747
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
柴田 史久 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80314425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 聖 立命館大学, 情報理工学部, 任期制講師 (40432596)
木村 朝子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20324832)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 映像通信フレームワーク / 移動体通信 / 複合現実感 / 高度道路交通システム(ITS) / 光学透過型映像提示装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,将来大きく発展させる研究テーマの端緒となるものであり,多様な技術を有機的に連携させるものであるので,対象・目標を明確化するために,事例A:シースルーDRによる安全運転支援,事例B:ドローンによる災害映像の獲得とAR/MR表示,事例C:定点観測カメラ映像を補う移動体からの映像獲得,事例D:ドローンによる自動車への遠隔地情報提供,という応用事例を想定し,そこで遭遇すると予想される課題の解決方法や基盤となる要素技術を抽出する.これらに関して平成29年度は以下の研究を行った. 事例Aに関しては,ITS情報通信システム推進会議が策定したガイドラインに沿って車車間通信メッセージのフォーマットを設計した.さらに,具体的な応用事例として,車車間での映像伝送を想定し,距離画像とカラー画像から車線を3次元再構成し,車列停車時に仮想的な視点移動映像を運転者に提示するシステムの提案と実装を行った.さらに,自動車に搭載されたLiDARによる距離情報とカメラ画像から周辺車両等による不可視領域を可視化する手法の開発に着手した. 事例Cに関する研究として,複数の定点観測カメラと移動体搭載カメラの利用を念頭に,多層透視型映像体験システムの開発を行った. 事例B・Dに関しては,MAVを導入し,飛行体からの映像取得の安定性を確認するとともに,より安全に実験を実施するために,ROS(Robot Operating System)を利用した実験システムの構築を開始した. また,事例Aから派生した新しい研究テーマとして,ヘッドアップディスプレイなどの光学透過型映像提示装置における影表現についての検討を行った.光学透過方式では,光を加算することしかできないという原理上,影の表現が不可能である.この課題に対して,減光機序に依らず影を表現する新たな試みとして,錯視を利用した手法について検討し,基礎実験を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事例Aについては,具体的な応用事例を開発し,安全運転に寄与すると考えられる車列停車時の仮想的な視点移動映像を運転者に提示できることを確認するなど,当初予想していた通り,映像通信フレームワークの基盤となるような技術開発が順調に進んでいる.また,派生的な研究として,光学透過型映像提示装置における影表現の新たな手法について着想を得るなどむしろ予定より進んでいる.事例Cについても多層透視型映像体験システムのプロトタイプを開発するなど,順調に進展している.一方,事例B・Dに関して,MAVによる実験については,実機による実験には天候等の不確定要素が影響することが判明したため,ROSを利用した実験システム構築の検討を開始した.この点は当初の想定と若干異なっており,一部の実験・検討が遅れているが,ROSの導入によって解決される見込みであり,問題はないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,本基盤研究の2年目にあたるため,当初の計画通り研究を進めていく予定である.
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Research Products
(3 results)