2017 Fiscal Year Annual Research Report
Systematization of electromagnetic security engineering countermeasure against fault-injection attacks caused by intentional electromagnetic interference
Project/Area Number |
17H01751
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
曽根 秀昭 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (40134019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水木 敬明 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 准教授 (90323089)
林 優一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (60551918)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 情報システム / 情報セキュリティ / 電子デバイス・機器 / 暗号・認証等 / 耐タンパー技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、(1) ICへの意図的な電磁妨害を評価するための環境構築と、(2) ICに故障を引き起こし易い妨害周波数を決定するパラメタ及び印加タイミングの抽出について、実施した。 評価環境の構築では、意図的電磁妨害によるセットアップタイム違反の発生を想定し、故障を引き起こした要因を特定するため、FPGAを搭載したテストボードを用いて、遅延時間が極めて長い加算回路を評価回路としてFPGAに実装し、これを用いて故障が生じたタイミングをモニタリングすると共に、既存設備である電磁界計測装置システムを改良して用いて、低ノイズで高精度にIC内部の電気的な変化をモニタリング可能な環境を構築した。 また、IEMIによる故障発生の有無は注入周波数に大きく依存することから、機器への妨害電磁波の注入効率を決定するパラメタを抽出するために、伝導及び放射雑音をカバーする連続波及びパルス波をICに注入できる装置を整備し、注入した信号の伝搬の様子を前述したモニタリング環境を用いて観測し、IC内部の妨害電磁波の強度分布と、各測定点における伝達関数を求めた。さらに、上述により得られた周波数及び時間領域の計測結果を基に妨害波の伝達効率を決定する素子配置や配線パターンを抽出すると共に、意図的な電磁妨害より生ずるIC内部の評価回路からの故障を示すデータ出力を観測することで、故障が発生しやすい妨害波の印加タイミングについて基礎的な知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は当初の計画である、(1) ICへの意図的な電磁妨害を評価するための環境構築、及び(2)ICに故障を引き起こし易い妨害周波数を決定するパラメタ及び印加タイミングの抽出について、一定の成果を得ており、得られた知見を実アプリケーションである暗号デバイスに応用し、得られた知見の汎用性を示した。こうした結果は当該分野において最も権威有る論文誌(IEEE Transaction on Electromagnetic Compatibility)への採録が決定してEarly Accessに掲載されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降は、 (1)故障注入により出力される誤り暗文を用いたリスク評価を行うと共に、(2) 機器設計時における電磁妨害耐性を評価可能な汎用的な電磁界シミュレーション手法の開発を行い、情報システムの機能低下のメカニズムを解明に必要となる知見を蓄積する。
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